女優は、監督と出会い自らの新境地を知る―。
2008年2月13日、市川崑監督逝去。突然の訃報に、「母べえ」でベルリン映画祭へ渡独していた吉永小百合が言葉を失う姿が翌日のニュースで報道された。女優は、監督に出会うことで自らの新境地を知る。吉永小百合にとって、市川崑監督との出会いは、長いスランプから抜け出して新たな女優人生を切り開くための重要な出会いとなった。
初めてコンビを組んだ「細雪」(1983年)で、市川崑監督の巧みな演出は、これまで吉永の役幅を極端に限定していた清純派イメージの払拭に成功。谷崎文学の中に登場する毒をも秘めた三女・雪子役を見事に演じ、吉永小百合は成熟した女優の魅力を再評価される。この文芸大作の大ヒットにより再び第一線に躍り出た吉永小百合は、1984年、市川監督の次作「おはん」で、元夫への情愛にさまよう妻を艶麗大胆に演じ、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞など数々の映画賞を受賞する。ここに、青春映画路線のヒロイン像とは全く異なる、現在の女優・吉永小百合が確立した。
続く1987年、「映画女優」では大女優・田中絹代を演じ、クライマックスの気迫の演技で女優としての力量を発揮。さらに1988年、映画出演100本記念作の「つる ー鶴−」では、節目の作品に是非と自ら信頼する市川崑を監督にと切望。それに監督が応えて、4度目のゴールデンコンビ作となった。
名匠・市川崑による吉永小百合主演映画全4作品を、11月から2ヶ月連続で放送中。 作品の放送にあわせて、吉永小百合インタビューも放送。現在の女優・吉永小百合を生んだ、市川崑の4作品をどうぞお見逃しなく! |