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コラム

連載快楽亭ブラック
「へそくり社長」 (へそくりしゃちょう)  監督:千葉泰樹 出演:森繁久彌 1956年 掲載日2000年12月17日
 時代劇の東映、アクションの日活、メロドラマの松竹と、日本映画全盛期は邦画各社にそれぞれ得意なジャンルがあった。そして東宝が得意としたのが喜劇だ。“明るく楽しい東宝映画”のキャッチフレーズで、サラリーマンものを十八番にしていた。そのなかでとくに人気を博した代表的なシリーズが、ここで紹介する「社長」シリーズなのだ。
 森繁久彌の社長、加東大介の重役、小林桂樹の秘書、三木のり平の営業部長がレギュラーで、この4人が取り引き先の会社を接待する宴会で披露する珍芸や、恐妻家の森繁社長が出張先で浮気をしようとするが、いつも寸前で失敗するシーンが、毎度のお約束パターンとはいえ大いに笑わせる。また、営業部長より宴会部長として活躍するのり平の台詞、
“パーッといきましょう”
は流行語になった。
 シリーズが15年も続いて本数も30本以上もあるので(ちょっと言い訳)タイトルは失念してしまったが、あっしが一番笑ったのは、社長一行が外国人バイヤーを接待するために、伊勢観光に行ったときのことだ。名勝、二見ヶ浦で岩を指差した営業部長ののり平が、
“あの岩と岩の間から陽が昇るんです。岩間(イワマ)サンシャインといいまして”
あっしはこうゆうしょーもないシャレに弱いのだ。このシャレ、まさか台本には書いてあるまい。きっとのり平のアドリブに違いないのだが、残念ながら定かでない。う〜ん、今かえら思えば生前ののり平先生に聞いておけばよかった。
 今回は、日本の高度成長を支えたサラリーマン、森繁社長、加東重役、小林秘書、のり平部長にそれぞれ座布団一枚!
( 書き下ろし )

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