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コラム

連載快楽亭ブラック
「菊次郎の夏」 (きくじろうのなつ)  監督:北野武 出演:ビートたけし 1999年 掲載日2001年02月14日
 わが町、浅草は芸能の町である。そのせいか毎年“浅草芸能大賞”なる賞を選んでいる。これがなんと賞金100万円!!
 たしか98年に大賞に選ばれたのが、ビートたけしで、00年が中村勘九郎だった。たけしと勘九郎が偉いのは、大賞受賞に感謝して浅草に尽くしたことだ。たけしは、授賞式で
“次回作は浅草を舞台にした作品を撮る”
と宣言し、この「菊次郎の夏」を製作することを発表した。
 一方、勘九郎もまた受賞後に、浅草のはずれに簡易な芝居小屋を建てて、そこを平成中村座と名づけて1ヶ月間芝居の興行を打った。果たして、毎日大入りを続けるあたりもまたさすが!
 というわけで、今回紹介する「菊次郎の夏」の影の仕掛け人は、芸能の町、あっしの住む浅草の町と言えるかもしれない。
 この作品であっし的に面白かったシーンのひとつに、麿赤児が中年ロリコン・ホモオヤジとして出演したシーンがある。どんな場面かというと、関口雄介扮する主人公の少年から、ビートたけし扮する菊次郎がちょっと目を離した隙に、麿が関口少年にイタズラ(もちろん性的なヤツね)しようとするところなのだ。この変態オヤジ役を麿は巧演しているのだが、最初の予定では、キャスティングは麿ではなかった。あっしの大親友でAV界の名物俳優、山本竜二が起用されるはずだったのだ。ところが、武監督のツルのひと声
“そのキャスティングは当たり前すぎてつまらない”
で、あっけなく麿赤児に。
 う〜む、さすが“世界のキタノ”作風だけじゃなくて、キャスティングも意外性を重視するのだ。
 というわけで今回は、せっかく落語家らしく浅草を枕にしたのに、オチはやっぱりAVになっちゃったけど、武監督のいろんな意味での意外性と、あっさりお役ごめんになっても、AVでがんばる山本竜二に座布団一枚! ( 書き下ろし )

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