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コラム

連載快楽亭ブラック
「戦場のメリークリスマス」 (せんじょうのめりーくりすます)  監督:大島渚 出演:ビートたけし 1983年 掲載日2001年02月28日
“戦メリ”について書く前にちょっと前置き。
あっしがリアルタイムで見た大島渚監督作品は、ATG(アート・シアター・ギルド)時代の作品だったんだけど、どれも難解で退屈極まりないものだった。
 そんな大島監督のイメージを変えた作品が「愛のコリーダ」だった。料亭の仲居が、愛人関係にあった主人を絞め殺した後で、男根を切り落として持ち歩いていたという事件、いわゆる“阿部定事件”を映画化したものだ。ベースとなった“阿部定事件”が日本の犯罪史上に残る猟奇事件であったことにも増して話題を呼んだのが、主演の藤竜也と松田暎子に“ホンバン”をやらせたハード・コア映画ということだ。この作品は大ヒットしたのだが、男と女のSEXを極限まで描ききってしまったせいか、その後大島監督は、男と男の怪しい世界を描くようになった。
 そのきっかけとなったのが本作「戦場のメリークリスマス」だ。
 第二次世界大戦中、ジャワ島の日本軍捕虜収容所を舞台に描かれた、美男の収容所長、坂本龍一とニュージーランド人の捕虜、デビッド・ボウイの関係は、妖しいと言うより危ない雰囲気に満ちていた。
 一方、当時漫才ブームで人気絶頂の漫才師だったビートたけしを、往年の南道郎(人気漫才師から俳優に転身、兵隊役を演らせたら天下一品)のような鬼軍曹役で起用。たけしは大島監督の期待に応え、難役を見事にこなして演技に開眼した。
 ラスト・シーンのたけしのセリフ
“メリー・クリスマス、ミスター・ローレンス”
を思い出すだけで目が潤む。
というわけで今回は、大島監督のキャスティングと、期待に応えたたけしの演技に座布団一枚!
 
( 書き下ろし )

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