|
「女体は哀しく ほか」
(にょたいはかなしく) 監督:稲垣浩 出演:乙羽信子 1957年
|
掲載日2001年03月16日 |
今月は見逃せない作品が多いので、まとめて紹介しよう。 “戦後公開された日本映画は全部見(てい)る” が人生の目標のあっしが言うんだから、下手な映画評論家の言うことよりよっぽど信用できるぞ。 「女体は哀しく」は、戦後間もなくの京都、島原遊郭を舞台にした物語で、監督は名匠、稲垣浩。乙羽信子が太夫、玉袖に扮して好演を見せているほか、遊女たちがストライキをやったりして、時代を感じさせて面白い。しかし、原作は人情ものでホロッとさせて終わるのに、本作は悲劇になってしまっていて後味が悪いのがちょっと残念。 「鰯雲」は成瀬巳喜男監督初のカラー作品、おっと当時(1958年)は総天然色って言ったんだよね。東京近郊の農村を舞台に、複雑な人間関係を取材記者と戦争未亡人の愛を軸に叙情豊に描いた秀作。主役じゃないけど、水野久美がいいんだ。 余談だが、あっしの友人のライターが水野久美にインタビューしたときに、共通の話題を見つけようと昔見た映画を思い出して… “子供の頃「マタンゴ」(東宝変身人間シリーズ、水野久美はキノコ人間に変身しちゃうというカルト作なのだ)とか、怪獣映画に出演なさっているのを見てました!” と、言ったら思いっきりムッとされたそうだ。そりゃそうだっつうの。「マタンゴ」に罪はないし、あっしは大好きな作品だけど、美人女優がキノコの着ぐるみを着た作品を代表作のように言われたらねえ。あっしだったら “成瀬監督の「鰯雲」よかったですね” とさりげなく名作を話題にして、きっと好感を持たれたに違いない。 「続 社長三代記」は、膨大な社長シリーズの中で、唯一加東大介が社長に昇進する異色作。いつもの社長役の森繁久弥は女性問題で左遷されたという設定。森繁社長は他の作品で忙しかったのかしらん? で、いつもはまじめな重役の加東大介だけど、社長になったとたん森繁も真っ青のスケベ社長になってしまうのが、いかにも小市民てカンジで可笑しかった。 「大冒険」は、クレージー・キャッツ結成10周年を記念して製作された、スケールの大きなギャグ・アクション。Uボートにミサイルまで飛び出すスラップスティック特撮コメディー。しかも特撮は神様、円谷英二が担当している。壮大な夢を声高らかに歌っておいて、せこく落とす主題歌「大冒険マーチ」が素晴らしい。この曲、カラオケに入っていないのが残念だが、あっしの愛唱歌として個人的に後世に伝えているのだ。 というわけで、今回はオススメ揃いの編成に座布団一枚!
( 書き下ろし )
|
|