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「社長太平記」
(しゃちょうたいへいき) 監督:松林宗恵 出演:森繁久弥 1959年
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掲載日2001年04月14日 |
先日、前進座の創立70周年記念パーティーでナマの森繁久弥を見た。そういえば最近、舞台にも出なくなったもんね。ナマ森繁は結構貴重なのだ。スピーチを聴いたのだが、あまり面白くなかった。思い出話ばかりで、オチがないんだもの。森繁と言えば、言わずと知れたスピーチの名手、どんなおもしろい話を聞かせてくれるのかと期待が大きかっただけに、肩透かしをくらった感じだ。まあ、落語家じゃないんだから仕方ないか。 それはともかく、その森繁が人気、実力とも絶頂時の代表作が一連の『社長』シリーズだ。今回、紹介するのは中でも異色作として知られる『社長太平記』。どこが異色かというと、その配役。シリーズをとおして、社長は森繁、重役は加東大介、秘書(後に秘書課長ね)は小林桂樹というのが定番なのだが、本作に限り重役に小林桂樹、課長に加東大介という配役になっているのだ(社長はやっぱり森繁だけど)。3人のキャリアもふるっていて、戦争中は海軍で同じ艦に乗っていたことになっている。しかも、序列は全く違って、加東大介が艦長、小林桂樹が下士官、森繁がただの水兵だった。戦後になって、地位が逆転しているあたりも、いかにもありそうでまたおもしろい。とくに海軍時代の回想シーンは、海軍出身の松林宗恵監督がリアルにかつ面白おかしく描いている。長寿シリーズが、マンネリ化する前の一番充実していた頃の作品なので、じっくりと楽しんで欲しい。 話はかわるが、東宝のサラリーマン映画は、日本の有名な物語を片っ端からパロディーにしてきた。たとえば、『サラリーマン忠臣蔵』、『サラリーマン出世太閤記』、『出世コースに進路をとれ』、『サラリーマン権三と助十』などなど。あっしとしては、この路線を是非復活して欲しいのだが、どうだろうか。本宮ひろ志の漫画が原作だけど『サラリーマン金太郎』があるんだから、『サラリーマン桃太郎』なんてのはどう? 森繁扮する元社長のおじいちゃんに育てられた桃太郎が、サラリーマンになって、3人の部下とともにライバルの“鬼が島産業”との競争に勝つ、なんてストーリーは楽しいと思うけど、どうかな? というわけで、今回は意表を突いた配役に座布団一枚!
( 書き下ろし )
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