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「「裸の大将」」
(はだかのたいしょう) 監督:堀川弘通
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掲載日2001年10月19日 |
名優、小林桂樹にその役造りの秘密を聞いた事があった。実在の人物を演じる時は、その人間が生きていればよく観察して癖をつかみ、亡くなっている人物を演じる時はその人の血液型を調べ、そこから考えるそうだ。 ある時、TVの撮影を終えて行きつけの小料理屋に入ったが、その日に限って誰も注文を取りに来ない。よく考えたら「仕掛人梅安」で梅安を演じ、殺人シーンを撮り終えた役で体がまだ殺人モードに入ったままだったので、店の人が怖がって近付かなかったんだそうだ。 小林桂樹が実在の人物を演じ、まるで、コピーのようにそっくりだたのは、「江分利満氏の優雅な生活」の山口瞳役と、「裸の大将」の山下清役だろう。特に山下清役での演技の深さは、悪いが芦屋雁之助などとても及ばない。人からは馬鹿にされながらもピュアな心で戦中、戦後の激動の日本で放浪する天才画家の姿を見事に演じた小林桂樹、その演技の凄さを改めて見直したい。そして共演の喜劇人の豪華さにも注目してみたい。 そういえばこの映画の「兵隊の位で言えば」は流行語になったっけ。映画が流行語を産んだ時代、なんと文化度の高かったことよ。
( 書き下ろし )
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