|
「「歌くらべ荒神山」」
(うたくらべこうじんやま) 監督:斎藤寅次郎 出演:広沢虎造/高田浩吉/柳家金語楼/田端義夫/伴淳三郎/古川緑波
|
掲載日2002年03月08日 |
喜劇の神様と呼ばれた斎藤寅次郎監督だが、この人の全盛期はおそらく戦前だったのだろう。戦後の作品「吃七捕物帖・一番手柄」と「お父さんはお人好し」には腹を抱えて笑わされたが、他の作品はそうでもない。しかし出演しているコメディアンたちには圧倒させられる。エノケン、ロッパ、金語楼、伴淳三郎、エンタツ、アチャコ、川田晴久、堺駿二、トニー谷、益田キートン、デン助こと大宮敏光に、「男はつらいよ」のおいちゃん役、森川信と日本喜劇史に名を残している名優、珍優揃いだ。今回、我等が家元、立川談志お勧めの「歌くらべ荒神山」も、時代劇でお馴染、清水次郎長の兄弟分、吉良の仁吉が義理の為、愛する女房を離縁して義兄の安濃徳と荒神山で大喧嘩する話を豪華スター共演で描いている。 清水次郎長にはその次郎長ものの浪曲が大ヒットした広沢虎造が扮し、その名調子をたっぷり聞かせ、吉良の仁吉には歌う映画スター高田浩吉が、また狂言廻しの三下やくざにバタヤン、田端義夫が意外な名優振りを見せる。そして悪親分、安濃徳(柳家金語楼)の用心棒、門井門之助役、伴淳三郎の珍演も見逃せない歌って笑わせるミュージカル・コメディ時代劇なのだ。
( 書き下ろし )
|
|