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「竜二」
(りゅうじ) 監督:川島透 出演:金子正次/永島暎子/北公次/佐藤金造/泉アキ/もも 1983
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掲載日2002年07月12日 |
あれは一昨年の11月だった。出演中の浅草東洋館の高座に上がると、少ないお客さんの中に、女優の永島暎子さんがいた。彼女は1ヶ月前、銀座のガスホールで兄弟子の立川左談次の会に遊びに行った時も客として来ていた。相当な落語ファンのようだ。 その日の客は最悪で何を言っても受けなかったので、あっしは永島暎子さんを笑わすことだけを考えた。あっしの十八番「道具屋」は主人公がシナリオライター志望になっている。彼がどんな映画を撮りたいか話すところで、いつもは危ない皇室ネタをやるのだがそこを変えてみた。 「『竜二2』を書こうと思ってます」「『竜二』といえば武闘派のやくざ、竜二がある日ふとやくざの足を洗い、妻と幼ない娘の為にカタギになったものの、やはり耐えきれずにまたやくざに戻るという話を、無名の新人、金子正次が企画、製作、脚本、出演をした伝説の映画で、竜二の妻役をメジャー女優の永島暎子が巧演した伝説の名作だが、その続篇を書くのか」「違うんです。私の竜二の主人公は山本竜二というAV男優なんです。名優、嵐寛寿郎の甥という生い立ちながら、アラカンの死後仕事に恵まれず、AV男優になり、スカトロビデオに出てそのキャラクターが認められて売れっ子になって週刊誌にも載るようになるんですが、その為スカトロビデオに出ていることが電通に勤めているキャリア・ウーマンの奥さんにばれ「私とウンコとどっちを取るの?!」と怒った。この奥さん役を是非永島暎子さんにやってほしい」 彼女は笑っていたが、それからあっしの出ている寄席には来ていない。
( 書き下ろし )
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