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コラム

連載快楽亭ブラック
「七つの顔」 (ななつのかお)  監督:松田定次 出演:片岡千恵蔵/轟夕起子/月形龍之介/原健作 1946年 掲載日2004年04月16日
 シリーズ物は第1作は一番面白いとよく言われるが、それは当たり前の話だ。ほとんどのシリーズ物は、最初からシリーズとして予定されていたんではなく、単発の企画であったのがそのあまりの面白さが評判となって続篇を作ることとなり、それもまたヒットするとシリーズになるというパターンになるのだから。
 時代劇の大御所、片岡千恵蔵の現代劇の代表作「多羅尾伴内」シリーズも後半の東映作品は子供だましでご都合主義で見るに堪えないが、初期の大映作品、特に1作目が一番面白い。
 戦後まもない昭和21年に起きた歌手の誘拐事件を老探偵、多羅尾伴内が様々な人間に変装しながら事件の真相に迫ってゆくのだが、劇中で多羅尾がミステリー好きの少女と古今東西の名探偵について語り合うシーンが楽しい。アルセーヌ・ルパンを名探偵だという少女に、多羅尾はルパンは盗賊だからと否定する。実は多羅尾伴内も変装した人間の一つで真実の姿は戦前、怪盗の名で呼ばれた藤村大造であったのだから。
 しっかりしたミステリーに、月形龍之介、大友柳太朗といった時代劇スターの背広姿もコスプレを見るような楽しさがある。来月は2作目「十三の眼」をやってほしい。 ( 書き下ろし )

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