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コラム

連載快楽亭ブラック
「人間魚雷回天」 (にんげんぎょらいかいてん)  監督:松林宗恵 出演:岡田英次/木村功/宇津井健/高原駿雄 1955年 掲載日2004年07月30日
 7月も8月に続いて戦争映画特集であります。あっしの戦争映画ベスト1は、誰が何と言っても「人間魚雷回天」だ。回天は魚雷の命中率を高める為、人間が一人乗って操縦しながら敵艦に体当たりしていく海の特攻兵器だ。
 映画はこの回天の乗員に選ばれた岡田英次、木村功、宇津井健、沼田曜一の4人の訓練から出撃までを描く。
 登場人物の誰もが声高に「反戦」を叫ばない。国家の運命に殉じようとするだけに若者の夢を、青春を、可能性を奪いとる国家とは何なのかということが見る者に痛烈に伝わってくる。自ら海軍で出兵体験のある松林宗恵監督、須崎勝弥脚本の2人にしか出来ない素晴らしい名作だ。
 この映画が今井正や山本薩夫の反戦映画に比べ、本当に低く(あるいは無視)見られてきたのが残念でならない。はっきり言っておくが今井正や山本薩夫って、戦争中は国策映画を撮ってたんだよ。それが何の反省の弁もせず、戦後になったら反戦映画って、その時々の体制におもねってる映画職人であって芸術家ではないね。本物の映画芸術は「人間魚雷回天」だ。あっしが首相だったら国民必見の映画にしちゃうんだけどな。 ( 書き下ろし )

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