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コラム

連載快楽亭ブラック
「鶴八鶴次郎」 (つるはちつるじろう)  監督:成瀬巳喜男 出演:長谷川一夫/山田五十鈴/藤原釜足/大川平八郎 1938年 掲載日2005年03月25日
 劇団新派の公演は以前は年に2度くらい新橋演舞場で行われていたが、最近はミニシアターの三越劇場がホームグラウンドになり、大劇場での公演が減ったのはファンとして残念でならない。
 新派には名作が多く、「婦系図」「日本橋」「残菊物語」等の当り狂言が何度も映画化された。「鶴八鶴次郎」もそんな新派の名作の一つだ。新内語りの鶴次郎と、彼の師匠の娘で三味線弾きの鶴八は顔を合わせる度に喧嘩ばかりしているが、お互いに深く愛し合い結婚の約束をするが、意地の張り合いから別れてしまい、相方を失った鶴次郎は落ち目になり、鶴八は金持ちの奥さんになる。かつての名コンビを復活させようと色んな人の好意で二人は東宝名人会で再びコンビを組むことになるが・・・。
 愛する人の本当の幸福の為に己を捨てる鶴次郎の姿に涙、涙、涙。長谷川一夫と山田五十鈴が息の合った芝居を見せる。芸道ものを撮らせたら溝口健二と並んで巧い成瀬巳喜男の演出は見事の一言。映画もいいけど、また芝居でも見てみたいなあ。
 ちなみに大川橋蔵、朝丘雪路による「鶴八鶴次郎」の舞台を見ているのは、あっしの自慢の一つだ。 ( 書き下ろし )

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