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コラム

連載快楽亭ブラック
「あの旗を撃て」 (あのはたをうて)  監督:阿部豊 出演:大河内傳次郎/藤田進/河津清三郎/月田一郎 1944年 掲載日2005年07月22日
 戦争中に作られた戦意高揚の為の国策映画はたくさん見たが、’44年に公開された日本・フィリピン合作映画「あの旗を撃て」にはびっくりさせられた。
 日本がマニラに進攻してくる。少年はアメリカ軍から日本は鬼畜だと教わり、少年の兄は日本と戦うべくアメリカ軍と共に戦場へ行った。少年は兄に敵の兜をお土産に持って帰ってと頼む。
 しかし兄は「日本人10人殺す為ならフィリピン人が100人死んでもかまわん」というアメリカ軍によって撃たれた大砲で死んでしまう。
 自分のかぶっていたアメリカ軍の兜に、「弟よ、これが本当の敵の兜だ」と書き残して。
 マニラにやって来た日本兵は誰もやさしく、フィリピンの治安を守り、少年にもやさしくする。最後の日米決戦で日本が勝ち、隊長・大河内傳次郎が大演説する。
 「戦いはまだ終わっていない。真に戦いが終わる日、それはワシントンに日章旗が上がる日だ。ワシントン、遠いというか。お前たちが必勝の精神で戦えば、ワシントンはすぐそこなのだ」
 敗色濃厚な’44年にこんな映画を作っていたなんて、日本中がどうかしていたんだねえ。 ( 書き下ろし )

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