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コラム

連載快楽亭ブラック
「父ちゃんのポーが聞える」 (とうちゃんのぽーがきこえる)  監督:石田勝心 出演:小林桂樹/吉沢京子/藤岡琢也/司葉子 1971年 掲載日2006年01月06日
 我が愛しの浅草東宝が1月31日をもって閉館してしまうくらいだからもうとっくにつぶれているだろうが、上方の落語家、桂文福に聞いた飛田の映画館の話はおかしかった。ある日、やくざ映画、ポルノと「父ちゃんのポーが聞える」の3本立ての上映でお客さんは1本ずつ映画にどっぷりはまるんだそうな。
 やくざ映画ではスクリーンの高倉健に「健さん、後ろが危ないっ!」と声を掛け、ポルノ映画を見ながらオナニーし、「父ちゃんのポーが聞える」ではさっきオナニーをしたその手を洗いもしないで涙をふいて、「吉沢京子、可哀想やなあ」と泣くんだって。いいなあ、そんな映画館と素直な映画ファン。一度行ってみたかったなあ。
 ポー、ポッポー。
 汽笛がこだまする。
 朝5時50分ちょうど。
 父だ、父の乗っている機関車が
 診療所の下を通っているのだ。
 ポー、ポッポー。
 ノリコも胸の中で小さく
 声にならない汽笛をあげる。
 吉沢京子の話は封切り後35年たった今もまだ覚えている。ともかく泣けまっせ。→「父ちゃんのポーが聞える」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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