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コラム

連載快楽亭ブラック
「情炎」 (じょうえん)  監督:衣笠貞之助 出演:山本富士子/勝新太郎/船越英二/阿井美千子 1959年 掲載日2006年05月19日
 衣笠貞之助監督は優雅で気品高い。
 「情炎」が新派の十八番、「明治一代女」の映画化であることを、今日の放映で初めて知った。あっしは新派が好きでこの芝居を何度も見ているが、ポイントは沢村仙枝を演ずる役者だ。ヒロイン、お梅が命を賭けてまで惚れる程のいい役者でなければ物語が嘘になってしまう。
 この映画で沢村仙枝を演じているのは勝新太郎。まだブレイクする前、白塗りで二枚目は演っているのものの人気がなかった時代だが、それがこの悩める歌舞伎役者役と見事に重なっているのが面白い。また長唄の名代の次男に生まれ、小さな頃から歌舞伎役者と接してまた勝新にとっては歌舞伎役者役は手慣れたものだったろう。新派の役者出身の衣笠貞之助の演出もあってブレイク前としては最高の演技を見せている。
 ヒロイン、山本富士子は文句なく美しい。
 そして新派では滅多に演らない二人の出会いからきちんと描いてくれるのもうれしい。
 機会があれば伊藤大輔監督の「明治一代女」も放映して欲しい。衣笠貞之助と伊藤大輔、二大名匠の演出の違いを是非見比べたいから。→「情炎」放送スケジュール
  ( 書き下ろし )

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