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コラム

連載快楽亭ブラック
「讃歌」 (さんか)  監督:新藤兼人 出演:渡辺督子/河原崎次郎/乙羽信子/原田大二郎 1972年 掲載日2006年11月03日
 谷崎潤一郎の「春琴抄」は今までに何度も映画化されていて、どの作品も文芸映画としてしっかり作ってあるが、新藤兼人脚本、監督による「讃歌」だけは他の作品とは大きく異なっている。
 新藤兼人自身が、春琴に仕えていた女中(乙羽信子)にインタビューして春琴と佐助の愛を回想するという形で描かれるのだ。そして盲目の美女、春琴(渡辺督子)と仕え人(河崎長次郎)の関係が、ここではっきり春琴、女王様。佐助、奴隷のSM関係になっているのだ。
 美しい物を愛し汚い物を嫌う春琴は、自らの排泄物を佐助に始末させ、他の目に触れさせない。二人のSEXでも佐助は自己の快楽を追及することを許されず、春琴の快楽の為の道具に徹する。そして二人の間に出来た子供に二人はまるで愛を示さず平然と里子に出す。そして春琴が熱湯を浴びせられると、佐助は美しかった春琴の醜くなった顔は見たくないと、針で自らの目をつぶす。
 この映画に比べたら「花と蛇と」が子供だましに見えてくる。「讃歌」こそ、老いても性を追及することを辞めない新藤兼人による日本一、いや世界一のSM映画だ。凄いぞ!

→「讃歌」放送スケジュール
( 書き下ろし )

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