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コラム

連載快楽亭ブラック
「にっぽん製」 (にっぽんせい)  監督:島耕二 出演:山本富士子/三田隆/上原謙/木村三津子 1953年 掲載日2006年12月01日
 この春、キネカ大森の<三島由紀夫映画祭>に行くときに新右翼の鈴木邦男先生に逢った。
 映画好きで酒好きで話好きのあっしたちは逢えばいつも映画の後に居酒屋に行き、今見た映画について語り合った。あっしたちの結論は、三島由紀夫は恋愛の何たるかがまるでわかっていない。彼は女を愛したことがないのではないかということだった。
 「にっぽん製」も三島由紀夫原作のメロドラマだ。パリ発東京行きの飛行機で知り合った新進デザイナー、山本富士子と、彼女に一目惚れした柔道家、三田隆。二人は東京で再会するも、山本はパリに行きながらルーブル美術館にもオペラ座にも行かない三田を否定する。しかしデートを重ねるうちに彼の純朴な人柄にひかれてゆく。
 原作はイマイチだが、そこは職人監督、島耕二が見事にフォローして楽しませる。三田が家に帰ってラジオをつけると歌舞伎中継で「伽羅先代萩」をやっている。押入れを開けると逃げ遅れた空巣狙いが隠れているとラジオから「あーら、怪しやなー」というセリフが聞えたのには笑った。さすが、落語好きの監督だけにセンスがいいねー。
→「にっぽん製」放送スケジュール
( 書き下ろし )

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