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コラム

連載快楽亭ブラック
「赤線地帯」 (あかせんちたい)  監督:溝口健二 出演:京マチ子/若尾文子/木暮実千代/三益愛子 1956年 掲載日2007年07月20日
 名古屋に順平閣という旅館があった。元々は娼館だったのを、売春防止法が施行されてから営業が出来なくなり旅館にしたのだ。
娼館だっただけに個室にバス、トイレがなく、ピンクの電気スタンドが妖しく艶っぽい。
 そして風呂もピンクのタイル貼りで、この風呂に初めて入った時、あっしは「わァー、溝口健二の『赤線地帯』と一緒だーッ。京マチ子や若尾文子が入ってそう。」と一人で興奮したのを覚えている。残念ながらこの旅館、5年前に取り壊して今はマンションになってしまったが。
 「赤線地帯」は溝口健二作品では「近松物語」と並んで好きな映画だ。京マチ子、若尾文子、木暮実千代、三益愛子。娼婦役の女優たちがどれも魅力的だ。ちなみにあっしが客だったら京マチ子の所に通うだろうが。
 そして娼館の経営者、進藤英太郎が巧い。
 東映時代劇ではただの憎たらしい悪役なのに、溝口作品では別人のような素晴らしい演技を見せる。溝口健二がもっと長生きしてくれていたら、進藤英太郎は名優として日本映画史に名を残していたろうに。それが残念でならない。 ( 書き下ろし )

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