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コラム

連載快楽亭ブラック
「江戸っ子祭」 (えどっこまつり)  監督:島耕二 出演:長谷川一夫/川口浩/野添ひとみ/黒川弥太郎 1958年 掲載日2007年09月07日
天下の二枚目が主演した
江戸版「ローマの休日」


 この映画を封切りで見たのは幼稚園の年長さんの時。長谷川一夫ファンの祖母に手を引かれ、町田の町映という映画館で見た。内容は覚えていないが、休憩時間の時、大変に混んでいたのだけは記憶に残っている。あの時から49年振りにまた見ることが出来るのが楽しみだ。
 監督の島耕二は相当の落語ファンらしく、「銀座カンカン娘」(49)と「ひばりの子守唄」(51)に伝説の落語家、古今亭志ん生を重要な役で使っている。この映画でも落語ネタを使っていそうだから要チェック。
 二代将軍、徳川秀忠の長男、竹千代(後の家光)が、大久保彦左エ門によって魚屋で江戸中の人気者、一心太助に弟子入りするという、江戸版「ローマの休日」(53)といったストーリーで、後に東映でも似たようなパターンの「家光と彦左と一心太助」を作った。東映版は家光と一心太助を中村錦之助が二役で演じたが、大映は一心太助が天下の二枚目、長谷川一夫で竹千代が川口浩。歌舞伎界の名優、中村雁治郎が大久保彦左エ門を演じている。
 銀座シネパトスの並びにアラジンという大人のオモチャ屋がある。そこの社長に聞いたのだが、雁治郎は生前、歌舞伎座出演中にちょくちょくアラジンにやって来ては大人のオモチャを興味深気に眺めていたそうだ。年はとっても性への情熱を失わないその姿は、小津安二郎の「小早川家の秋」(61)で彼が演じた好色な旦那そのまんま。あの映画は地でいっていたのかと納得した。

→「江戸っ子祭」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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