|
「秀子の車掌さん」
(ひでこのしゃしょうさん) 監督:成瀬巳喜男 出演:高峰秀子/藤原鶏太(釜足)/夏川大二郎/清川玉枝 1941年
|
掲載日2007年09月14日 |
あっし的には喜劇監督!
成瀬巳喜男の傑作のひとつ
あっし以外の誰も言わないが、成瀬巳喜男は男と女を描かせたら他の追随を許さない名匠と評価されているが、本当は喜劇映画の監督としての方に才能があったのではないか。
山梨のとある田舎町に、オンボロバス一台でやっているバス会社がある。高峰秀子のバスガイドと、藤原鶏太の運転手。社員がたった2人しかいない小さな会社だ。2人はそれでも会社に愛着を持ち、なんとかお客さんを増やし喜んでもらおうと温泉に滞在している小説家に頼んで名所ガイドの原稿を書いてもらい、ようやく業績も上向くが……。
中国大陸の戦争は泥沼化し、対米関係も悪化しもうすぐ太平洋戦争という緊迫した政治状況下の昭和16年制作の映画だというのに、そんなことをまるで感じさせない、のどかで何もない映画だ。成瀬巳喜男は仲間の映画人が次々と戦争にとられる中で現実を忘れたくてこの映画を撮ったのか?
でもこの映画のゆるさは心地良い。成瀬巳喜男といえば、これも9月に放送される「浮雲」(55)や「めし」(51)の評価が高いが、あっしのベスト2は「秀子の車掌さん」と「旅役者」(28)の2本だ。
当時アイドル的存在だった高峰秀子がともかく可愛く美しいし、後に黒澤明作品等で活躍する名脇役、藤原釜足が渋い。なお藤原釜足は、天皇の忠臣の名を芸名に使うとは不敬であるという理由で、藤原“鶏太”と改名させられた。そこだけ時代を感じるねぇ。
→「秀子の車掌さん」放送スケジュール
( 書き下ろし )
|
|