|
「愛妻物語」
(あいさいものがたり) 監督:新藤兼人 出演:乙羽信子/宇野重吉/菅井一郎/滝澤修 1951年
|
掲載日2007年09月21日 |
監督の自伝ともいえる秀作
リアルな「愛妻物語2」も見たい!
「愛妻物語」は、90歳を過ぎた今も元気で映画を作り続ける巨匠、新藤兼人の監督デビュー作。
脚本家、中島丈博は代表作「祭りの準備」(75)の中で、新藤兼人の言葉として「人間は誰でも生涯に一本、最高のシナリオを書くことが出来る。それは自分自身を書くことだ」と言っている。まさに「愛妻物語」は名匠、溝口健二に師事した新藤が師匠に認められるが、彼を励まし支えてきた妻が病死してしまうという、自伝映画と考えられる作品だ。
新藤役は宇野重吉、溝口役は滝澤修という日本の新劇を代表する名優2人が演じているのが凄い。そして愛しの妻役は乙羽信子。当時の彼女は、宝塚のかれんな娘役として人気が高く、“百万ドルのエクボ”と呼ばれた清純派女優、乙羽信子が体当たりの熱演を見せている。
この映画がもとで、新藤兼人と乙羽信子は愛し合うようになる。それもこの映画のモデルとなった妻の死後、再婚していた新藤に乙羽の方から迫ったという。そして新藤夫人の影で日陰の女となりながら、新藤作品では汚れ役をいとわなかった。他の作品でも、例えば「日本誕生」(59)のアメノウズメノミコト役のように、他の美人女優なら絶対に断るようなブスメイクで珍妙な踊りをする役も引き受けて新藤のプロダクションの経営を助けたのだ。そして2番目の夫人の死後、ようやく晴れて正式に新藤兼人の妻になることが出来た。乙羽信子の生涯も新藤兼人に「愛妻物語2」として映画化してもらいたいッ!
→「愛妻物語」放送スケジュール
( 書き下ろし )
|
|