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「ふくろう」
(ふくろう) 監督:新藤兼人 出演:大竹しのぶ/伊藤歩/柄本明/原田大二郎 2004年
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掲載日2007年11月30日 |
新藤兼人が性を描いた
上質のエンタテイメント
この夏、あっしは青春18切符を買って旅に出た。ネーミングから若者しか使えないキップと思っている人が多いが、旅に出て見聞をひろげたいという若者の心さえあれば老人でも使える切符なのだ。
95歳になってまだ現役で映画を撮り続けている新藤兼人監督もまた、青春まっただ中にいる人だと想う。‘99年に撮った「生きたい」は老人がまだ死にたくない、もっと俺を大切にしてくれ、リスペクトしてくれと叫んでいるだけの映画で、さすがの名匠も遂に老醜をさらしたかといやな気分になったが、それから何があったか知れないが、かつての仲間、殿山泰司を描いた「三文役者」で蘇えり、「ふくろう」を見た時が90歳を超えてなお性を描いて老いを感じさせないその若さに怖れ入った。
世の中から忘れさられた開拓村に残っている二人の母娘、大竹しのぶと伊藤歩が生きる為に体を武器に男たちを誘い、殺してゆくという物語を、実におおらかに描いているのだ。
並の監督なら生々しい毒婦ものになってしまう題材を描いて、観る者を楽しませる上質のエンタテイメントに仕上げるのは、さすがに新藤兼人、伊達に歳はとっていないね。
ところで新藤兼人は妻や家族、仲間のことを次々に映画にしてきた私小説ならぬ私映画作家であると共に生涯を通じて性を描き続けてきた作家でもある。新藤兼人は95歳にしてまだ勃起をしているのではないか。そして男は勃起をしているうちは青春だとあっしは想うのだが。
→「ふくろう」放送スケジュール
( 書き下ろし )
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