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コラム

連載快楽亭ブラック
「母('58)」 (はは)  監督:田中重雄 出演:三益愛子/川口浩/根上淳/志村喬 1958年 掲載日2007年12月27日
家族とは、親子とは何かを考えさせられる物語

 来年早々封切られる山田洋次監督の「母べえ」の評判がいい。吉永小百合がどんな母親役を見せてくれるか楽しみだ。
 さて、母ものといえば三益愛子だ。はっきり言って出演者もパッとしない。そんな映画が大ヒットしたのだから、会社は笑いが止まらなかったろう。
 そのごほうびか、母ものシリーズ30本記念映画、その名も「母」だ。
 総天然色(カラーよりこの方が有難味がある)、オールスター、そし
て三益愛子の実子である川口浩が息子役で出演、実の母子競演しているのだ。
 戦前、戦中、戦後、激動の時代を生き抜き子育てをした母。その甲斐あって子供たちは立派に成長、豊かな暮しをするようになるが、母を女中のように働かせ、また無教養な母を恥ずかしがって友人たちに紹介しようとしない。そんな兄弟に腹を立てた三男、川口浩が家出をして・・という物語だ。
 生活が豊かになる分、家族の情が薄くなるというのはまるで今の日本をそのまま映しているようだ。だからこそ今、母もの映画を放映する意味がある。一人でも多くの人にこの映画を見てもらい、家族とは、親子とは何かを考え直してもらいたい。
 この作品、せっかくのオールスターながら、鶴田浩二、若尾文子、山本富士子等がただ写っている程度のチョイ役なのが惜しい。もっといい役で出てほしかったなあ。

→「母(’58)」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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