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コラム

連載快楽亭ブラック
「愛を乞うひと」 (あいをこうひと)  監督:平山秀幸 出演:原田美枝子/野波麻帆/小日向文世/中井貴一 1998年 掲載日2008年02月08日
複雑な母と娘の関係を描いた平山監督のベスト1

 昨年のあっしの日本映画ベスト1は、平山秀幸監督の「しゃべれども しゃべれども」だった。本職の落語家のあっしが感心するほど、落語界をよく描いていた。どうでもいいけどNHKの朝ドラマ「ちりとてちん」は、“そんな落語家いねえよ”と何度も突っ込みを入れたくなるが。
 その平山秀幸監督のベスト1が「愛を乞うひと」だ。この映画、娘にDVを振るう鬼母と、そんな母を慕う娘の2役を原田美枝子が入魂の演技で魅せ、彼女の女優としてのステータスを大いに上げた作品だが、それを演出した平山秀幸監督はもっと評価されていい。
 ラストの母娘対面のシーンは、撮りも撮ったり、演じも演じたり、見ていて鬼気迫るものがあった。原田美枝子にとってもこの映画は、十代のころに主演した増村保造監督の「大地の子守歌」と並ぶ大傑作だろう。
 この映画のテーマにもなっているが、今の日本、親が子を殺したり、暴力を振るったり、またはその逆のパターンがあまりにも多すぎる。
 あっしは、超ナルシストだから自分が可愛くって仕方がない。だから自分のコピーである子供も可愛い。
 偉大なる落語家であるあっしの弟子になりながら、ちっともあっしのコピーをしない快楽亭正日(ジョンイル)はちっとも可愛くないが。
 世の中、あっしみたいなナルシストばっかりだったら、家族間におけるおどろおどろしい事件がなくなるのにねェ。

→「愛を乞うひと」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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