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コラム

連載快楽亭ブラック
「二匹の用心棒」 (にひきのようじんぼう)  監督:三隅研次 出演:本郷功次郎/長門勇/高田美和/赤座美代子 1968年 掲載日2008年04月25日
主人公・関の弥太ッペの生き方は、男の教科書

 大映末期に「ひとり狼」という時代劇の大傑作があった。市川雷蔵演じる人斬り伊三蔵という一匹狼のやくざがクールでカッコ良かった。人を斬る度に「あゝ、今度もまた目の中に新しい卒塔場を立てるのか」というセリフにしびれた。
 あまりヒットはしなかったが関係者の評価が高かった。人斬り伊三蔵と対照的な熱血漢のやくざ、長門勇もいい味を出していた。
 ならば市川雷蔵、長門勇のコンビで同じような股旅ものをと企画され、長谷川伸の「関の弥太ッペ」を「二匹の用心棒」と改題して映画化することになった。ところが撮影開始から数日後、市川雷蔵が病に倒れ、そのまま亡くなってしまった。そこで本郷功次郎をピンチヒッターにして撮影したのがこの映画だ。
 「ひとり狼」には劣るが股旅映画の秀作である。ヒロイン・高田美和が可愛らしい。しかし公開時にリアルタイムで観たあっし(当時16歳)は、市川雷蔵だったらなあとため息ばかりついてこの映画を観た記憶がある。
 想えば本郷功次郎も気の毒な役者である。大映初の70ミリオールスター大作「釈迦」に長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎という大スターを置いてブッダ役で主役に抜擢されながら、主役スターとしてはパッとしないまま終わってしまったのだから。
 自己を犠牲にして他人の為に尽くし、名も名乗らずに去ってゆく主人公・関の弥太ッペの生き方は、あっしは男の教科書だと思っている。

→「二匹の用心棒」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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