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コラム

連載快楽亭ブラック
「お吟さま」 (おぎんさま)  監督:田中絹代 出演:有馬稲子/仲代達矢/中村鴈治郎/高峰三枝子 1962年 掲載日2009年11月20日
名女優だが名監督、田中絹代はさすが

 野球界では、名選手は名監督ならずというが、映画演劇界でも同じだろう。最近はよく俳優が映画監督をやりたがるが、松田優作にしろ奥田瑛二にしろ酷いものだったので、役所広司の『ガマの油』は見る気もしなかった。
 蜷川幸雄演出の演劇は世界的に評価が高く、あっしも好きだが、俳優時代の蜷川幸雄は今想い出しても笑っちゃうくらいの大根だった。
 あっ、下手な役者を大根役者というのは、下手な役者はすぐにおろせるから大根という説と、下手な役者が出ている芝居は客が来ない。即ち当たらない。大根も消化が良くあたらない。以上の二つの説が有ります。
 しかし物事、例外がある。巨人V9の川上監督は名選手だったし、落合監督、野村監督も名選手だった。
 今月放映される『お吟さま』を見たのは大昔だが、しっかりとした名作であり、後に中野良子、中村吉右衛門によってリメイクされた作品よりずっと良かった。
 今回初めてあのオリジナルの『お吟さま』が田中絹代作品であることを知った。監督としての田中絹代、いいじゃないか。さすが、小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男、木下惠介、日本が世界に誇る名匠たちの下で俳優として一緒に作品を生み出した経験が活きているところに、女性でしか気づかないきめ細かさがある。
 今までどこの名画座も評価しなかった監督としての田中絹代特集は実に意義がある。有馬稲子、仲代達矢、中村鴈治郎、滝沢修等名優にも注目。

→「お吟さま」放送スケジュール ( 書き下ろし )

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