日本映画専門チャンネル×岩井俊二 映画祭

映画は世界に警鐘を鳴らし続ける

危機的状況を、映画はこれまでどのように描き、伝えてきたのか――。映画監督・岩井俊二が独自の視点で選定した作品を、2カ月にわたり放送!

2012年1月5日(木)から毎週木曜日よる11時放送

歴代の映画人たちは、現代社会の抱える問題を、様々な危機的状況を、ドラマやアニメ、CGなどを駆使しフィルムに焼き付ける事により社会に警鐘を鳴らし続けてきました。

人間がかつて経験し、これからも直面するであろう危機を、現代社会に内包された様々な問題を、これまで映画はどのように描き、どのように伝えてきたのか――。

日本映画専門チャンネルでは、岩井俊二監督が主催するオフィシャルHP「岩井俊二映画祭」との共同企画として、岩井俊二監督が独自の視点で選定した作品を1/5(木)毎週木曜よる11時より、2カ月にわたり放送いたします。

また、各作品の放送前には自らが書きおろした作品解説が特別に収録されます!

さらに、その放送に合わせて、「スタジオジブリは原発抜きの電気で映画を作りたい」と表明をしたスタジオジブリ プロデューサーである鈴木敏夫や、音楽・映画・出版・広告、更には自然エネルギー利用促進を提唱するアーティストの団体 artists'powerを創始するなど、多岐に渡る活動を行うミュージシャン・坂本龍一との対談番組もあわせて放送いたします。

映画を見て、私たちは現在の世界に何を思うのだろうか・・・。どうぞご期待ください。

岩井監督からのコメント
放射能に汚染された世界。と言ったらまるで映画のような世界と思う人は多いだろう。3.11の地震、津波、そして福島原発の水素爆発、それらの映像を観てまるで映画のようだとため息をついた人たちは多かったのではないだろうか。政府やメディアは民衆がパニックが起きるのを怖れたが、これすらも映画のようなパニックが起きては困ると考えたからではないだろうか?こんな風に映画とは我々にふりかかる様々な危機や危険を予期して描き続けて来た。我々に警告するために。だが気づいたら僕らは、こうした世界は映画でしか起こり得ないものであるかのように錯覚するようになり、映画を作る側ですら、映画を作るためにそれらの設定を利用するようになった。だから我々は3.11に現実に起きたことですら、まるで映画のようだったと口にするのだ。石巻で津波を経験した僕の知人は、あれはまるで『AKIRA』のようだったと語った。僕は改めて思い知らされた。映画とはこういう役割を担っていたのだ。古今東西の映画人たちは、人類に起る様々な危機について、人類の抱える重大な問題について、警鐘を鳴らし続けて来た。津波を体験した先人たちが、そこに神社や石碑を建てたように。その声にもう一度耳を傾けてみよう。今の僕らの現実がまた違って見えて来るに違いない。(岩井俊二)

岩井俊二監督

監督・岩井俊二
1995年『Love Letter』で映画監督としてのキャリアをスタート後、数々の作品を発表。代表作に、『スワロウテイル』、『四月物語』、『リリイ・シュシュのすべて』、『花とアリス』『市川崑物語』等がある。近年は活動を日本国外にも広げ、2008年、NYを舞台にしたオムニバス映画『New York I Love You』(主演:オーランドブルーム/クリスティーナリッチ)の一編を担当。2010年、『ヴァンパイア』(出演:ケヴィン・ゼガーズ/キーシャ・キャッスル-ヒューズ/レイチェル・リー・クック)をカナダ・バンクーバーにて撮影。2011年にはオフィシャルHP『岩井俊二映画祭』をオープンした。最新作はドキュメンタリー『friends after 3.11』。現在、『岩井俊二映画祭』でロングバージョンを配信中。2012年1月末に小説「番犬は庭を守る」(幻冬舎)が発売予定。

チャンネル内で放送の企画プロモーション映像や作品解説も岩井監督が制作
各作品の放送前には自らが書きおろした作品解説が特別に収録されます。
また、チャンネル内で放送する本企画のプロモーション映像や対談番組も岩井俊二監督自らが制作!各作品の放送前には自らが書きおろした作品解説が特別に収録されます。

豪華な特別対談ゲストが登場!
放送に合わせて、「スタジオジブリは原発抜きの電気で映画を作りたい」と表明をしたスタジオジブリプロデューサーである鈴木敏夫や、音楽・映画・出版・広告、更には自然エネルギー利用促進を提唱するアーティストの団体 artists'powerを創始するなど、多岐に渡る活動を行うミュージシャン・坂本龍一との対談番組もあわせて放送いたします。

【1月】
鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)

鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)
1948年生まれ。愛知県名古屋市出身。1972年に徳間書店に入社し、記者として「週刊アサヒ芸能」で執筆。児童少年編集部配属後に画期的なアニメ専門誌『アニメージュ』を創刊する。このとき宮崎駿と出会い、後に宮崎、高畑勲とアニメーション制作会社スタジオジブリを設立する。映画『おもひでぽろぽろ』『もののけ姫』など数々のヒット作をプロデュースし、映画『千と千尋の神隠し』は第75回アカデミー賞最優秀長編アニメ映画賞を受賞。2000年には『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督、岩井主演の実写映画『式日』を製作した。これまで鈴木が発表した文章や対談をまとめたドキュメントエッセイ『ジブリの哲学 変わるものと変わらないもの』が発売中。

【2月】
坂本龍一/SAKAMOTO Ryuichi(ミュージシャン)

坂本龍一/SAKAMOTO Ryuichi(ミュージシャン)
音楽家。1952年生まれ。78年『千のナイフ』でデビュー、同年YMOに参加。YMO散開後、数々の映画音楽を手がけ、作曲家としてアカデミー賞を受賞するなど世界的な評価を得ながら常に革新的なサウンドを追求している。1999年制作のオペラ「LIFE」以降、環境・平和・社会問題に言及することも多く、9・11同時多発テロをきっかけに、論考集「非戦」を監修。自然エネルギー利用促進を提唱するアーティスト団体「artists' power」を創始した。2006年六ヶ所村核燃料再処理施設稼働反対を表明し「stop-rokkasho.org」を開始、2007年7月には有限責任中間法人「more trees」の設立を発表し、温暖化防止についての啓蒙や植樹活動を行うなど活動は多岐にわたっている。また06年、新たな音楽コミュニティの創出を目指し「commmons」を設立。2009年には音楽活動の現場における積極的な環境配慮への取り組みに対して国連環境計画が世界環境デーの一環として実施するECHO Festivalにおいて「Echo Award」を受賞、また同年7月にはフランス共和国文化省より芸術文化勲章オフィシエを受勲する。2010年、文化庁より芸術選奨文部科学大臣賞を授与されるなど、活動全般において世界各国で高い評価を受けている。2011年東日本大震災の被災地復興支援プロジェクトとして、「LIFE311 by more trees」・「kizunaworld.org」・「こどもの音楽再生基金 - School Music Revival」などさまざな活動を継続しておこなっている。1990年より米国、ニューヨーク州在住。

放送作品

1月放送作品(各本編の前後に、岩井俊二監督による作品解説が付きます。)

生きものの記録(1955年・映画・モノクロ・105分)

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生きものの記録
生きものの記録

(C)1955 TOHO CO.,LTD.

監督:黒澤明
脚本:橋本忍/小国英雄/黒澤明
出演:三船敏郎/三好栄子/志村喬/千秋実

生涯を通じて反戦を訴え続けた黒澤監督が、1954年の"第五福竜丸事件"などの世相に触発されて原水爆反対の立場を表明した異色ドラマ。町工場を経営する資産家・中島喜一(三船)は、突如原水爆に異常な恐怖心を抱くようになる。助かるためにはブラジルへ移住するしかないと思い込み、勝手に移住計画をたてるが、猛反対の家族は喜一を準禁治産者とする申し立てをする…。三船が老けメイクで熱演した。

日本沈没(1973年・映画・カラー・146分)

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日本沈没
日本沈没

(C)東宝

原作:小松左京
監督:森谷司郎
出演:藤岡弘/いしだあゆみ/小林桂樹/丹波哲郎 特技監督:中野昭慶実

70年代はじめ日本中を震撼させた小松左京のベストセラー小説「日本沈没」を映画化したスペクタクル超大作。当時で5億円という破格の製作費も大きな話題となり、日本映画で初の配収20億円(興収40億円)を突破する大ヒットを記録した。小笠原諸島の小島が一夜にして海底に没し、調査に向かった深海潜水艇は、海底に異変が起きているのを発見する。そんな中、一人の学者が日本沈没説を主張、列島は次々と異変に襲われて・・・。「ゴジラ」シリーズでおなじみの中野昭慶が特撮を担当。

風が吹くとき(1987年・映画・カラー・83分・イギリス)

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風が吹くとき
風が吹くとき

(C)Channel Four Television Corporation 2001

監督:ジミー・T・ムラカミ
出演:(声)森繁久彌/加藤治子
日本語版監修:大島渚
主題歌:デヴィッド・ボウイ

英国のレイモンド・ブリッグズの同名絵本を、繊細なタッチでアニメーション化。直接的な表現を極力避けた静謐な映像ながらも、核戦争による放射能汚染の犠牲となる主人公の無知ゆえの悲しみが全篇を覆い、忘れ得ぬ痛切な反核映画となっている。片田舎で平穏な年金生活を送っていた老夫婦は、悪化する世界情勢を知り、政府発行のマニュアル通りに核シェルターを準備する。核戦争の勃発にも動じないふたりを、次第に放射能が蝕んでいく。

ヒバクシャ HIBAKUSHA 世界の終わりに(2004年・映画・カラー・119分)

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ヒバクシャ HIBAKUSHA 世界の終わりに
ヒバクシャ HIBAKUSHA 世界の終わりに

(C)GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.

監督:鎌仲ひとみ

日本をはじめ、イラクやアメリカなど放射能被害に苦しむ世界中の被爆者の日常を映し出す。監督は後に「六ヶ所村ラプソディー」などを発表するドキュメンタリー作家・鎌仲ひとみ。湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾の被害に遭い、14歳で亡くなったイラク人少女ラシャ。広島で軍医として働いていた時に原爆に遭遇した肥田舜太郎医師。プルトニウム製造工場の風下で農業を営むトム・ベイリー。世界中の被爆者に監督は取材し、彼らの生の声を聞く。

特別番組「岩井俊二×鈴木敏夫 特別対談」(2012年・制作番組・カラー・30分)

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出演:岩井俊二/鈴木敏夫

独特の映像感覚と世界観で多くの観客を魅了してきた映画監督・岩井俊二。そして日本が世界に誇るアニメスタジオ・スタジオジブリを支えてきたプロデューサー・鈴木敏夫。そんな二人の対談が今回実現!同じ“映画”の作り手として、二人は現在どんなことを考えているのか、対談を通じてそのすべてが明らかになる。

2月放送作品

夢(1990年・映画・カラー・121分)

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夢

(C)Warner Bros. Entertainment Inc.

監督・脚本:黒澤明
出演:寺尾聰/倍賞美津子/原田美枝子/笠智衆

黒澤監督自身が見た"夢"の世界をオムニバス形式で描く幻想的な作品。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、ジョージ・ルーカスのILM社が特殊効果を担当している。「第6話/赤富士」が描くのは、六基の原子力発電所が爆発した日本。逃げ惑う人々、切り立った断崖から人々が次々に身投げし、それを必死に止めようとする"私"にカラフルな色をした放射能が迫る。黒澤が生涯持ちつづけた原子力への脅威を叩きつけた一作。日本の美の象徴である富士山が染まる赤、放射能の黄、紫など色の表現が恐怖を引き立てる。

空飛ぶゆうれい船(1969年・映画・カラー・63分)

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空飛ぶゆうれい船

(C)石森プロ・東映

原作:石森章太郎
監督:池田宏
出演:(声)野沢雅子/田中明夫/里見京子/岡田由紀子

石森章太郎(石ノ森章太郎)の原作を、作家としても活躍する辻真先が脚色したアニメ映画。あの宮崎駿がスタッフとして参加。児童向け映画の短編ながら、巨大コンツェルンが自己の利益のために陰から政府を動かしたり、テレビの情報操作など、政治的な内容を子供にも判りやすい形で社会への風刺、警鐘を表現している。

六ヶ所村ラプソディー(2006年・映画・カラー・122分)

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六ヶ所村ラプソディー

(C)GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.

監督:鎌仲ひとみ

青森県六ヶ所村の、核燃料再処理工場を取り巻く問題を追うドキュメンタリー。前作「ヒバクシャー世界の終わりに」(03)で数々の賞に輝いた鎌仲ひとみ監督が、様々な境遇の村人や専門家たちの証言を通し、エネルギー問題や、再処理施設が環境に及ぼす影響などに警鐘を鳴らす。2004年六ヶ所村に原発で使った燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場が完成した。カメラは無農薬野菜を作る農家、職を失った漁師など、さまざまな事情を抱える村民たちが強大な権力と向き合う姿を克明に捉えていく。

原子力戦争 Lost Love(1978年・映画・カラー・108分)

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原子力戦争 Lost Love

(C)ATG

原作:田原総一朗
監督:黒和雄木
脚本:鴨井達比古
出演:原田芳雄/山口小夜子/風吹ジュン/佐藤慶

田原総一朗のノンフィクションを原作に、黒木和雄が原発問題に取り組んだ社会派ドラマ。すでに30年以上前に製作された作品にもかかわらず原発問題が注目を集める現在、リアリティーを感じずにはいられない。まさに映画を通して世界へ警鐘を鳴らしている一作。

特別番組「岩井俊二×坂本龍一 特別対談」(2012年・制作番組・カラー・120分)

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出演:岩井俊二/坂本龍一

独特の映像感覚と世界観で多くの観客を魅了してきた映画監督・岩井俊二。そして日本が世界に誇るミュージシャン坂本龍一。自然保護活動をはじめ、社会に対して様々なメッセージを発信してきた坂本と岩井監督との対談が今回奇跡的に実現。映画と音楽というフィールドは違えど、同じクリエーターとして現在二人はどんなことを考えているのか、対談を通じてそのすべてが明らかになる。

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