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大林宣彦監督 特集

「映像の魔術師」と称される、大林宣彦。彼の作品の根底にあるのは、
「映画とは、絵空事で嘘八百の世界である」という真実である。
そして、映画とはこんなにも自由で無限の可能性が拡がっている
という事実を、様々な映像技巧を駆使することで、
スクリーンいっぱいに炸裂してみせる。
だからこそ、大林作品は誰よりも若々しく、やんちゃで、愛おしい。
今回、チャンネルでは、最新作「花筐/HANAGATAMI」の公開を記念して、
劇場映画デビュー作、尾道三部作、最新作に繋がる古里映画、
貴重なTVドラマ、最新インタビューなどを放送。
「映像の魔術師」として切り拓いてきた足跡を、改めて感じていただきたい。

  • 大林 宣彦(おおばやし のぶひこ)
  • 大林 宣彦(おおばやし のぶひこ)

    1938年、広島県尾道市生まれ。1960年代からテレビCMの制作に携わり、『HOUSE ハウス』(1977年)で劇場映画にデビュー。『転校生』(1982年)、『時をかける少女』(1983年)、『さびしんぼう』(1985年)は“尾道三部作”と称され、そのリメイク版や新・尾道三部作も含めて、多くの人々に愛され続けている。また、第21回日本文芸大賞・特別賞を受賞した『日日世は好日』など、著書も多数発表。2004年紫綬褒章、2009年旭日小綬章を受章。近年、古里映画として製作された『この空の花−長岡花火物語』(2011年)、『野のなななのか』(2014年)は監督の新境地の作品として高く評価され話題となる。佐賀県唐津市を舞台にした最新作『花匡/HANAGATAMI』が2017年12月16日公開。

スカパー!

映像の魔術師・大林宣彦が、映画人生を語り尽くす。

「大林宣彦映画祭! ~花筐花言葉 今伝え遺したいこと。 大林宣彦×岩井俊二×常盤貴子特別鼎談~」

  • 「花筐/HANAGATAMI」公開記念 大林宣彦×岩井俊二×常盤貴子 特別番組
  • 放送年 2017年
    出演:大林宣彦/岩井俊二/常盤貴子

    映像の魔術師・大林宣彦。映画人生の集大成として最新作「花筐/HANAGATAMI」を完成させたいま、自ら対談相手に選んだ岩井俊二、そして「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」と、近作の大林監督作品に続けて出演している常盤貴子に何を語り、何を伝えるのか―。

劇場映画デビュー作

楽しいはずの少女たちの夏休みが、人喰い屋敷によって血に染まる―。

「HOUSE ハウス」

  • 「HOUSE ハウス」
  • 公開年 1977年
    監督:大林宣彦
    脚本:桂千穂 原案:大林千茱萸
    出演:池上季実子/大場久美子/松原愛/神保美喜/笹沢左保/宮古昌代/南田洋子

    大林宣彦監督の劇場映画デビュー作で、現在もカルト的人気を得ているホラーファンタジー。監督の愛娘のイメージにヒントを得て製作された。7人の少女が生き物のような「家」に、次々と食べられてしまう物語を、様々な特撮を駆使して描く。夏休みに、オシャレ(池上)、ファンタ(大場)、ガリ(松原)、クンフー(神保)、マック(佐藤美恵子)、スウィート(宮子昌代)、メロディー(田中エリ子)の7人の少女は、おばちゃま(南田洋子)に会いに羽臼(ハウス)屋敷へ行くことになる。そこは静かな森の中の古びた一軒家だった。少女たちは楽しく語らい食事をするが、やがて次々と姿を消してゆく……。

TVドラマ

死んだら、私にベールをくれる―?

「可愛い悪魔」

  • 「可愛い悪魔」 BS・CS初
  • 放送年 1982年
    監督:大林宣彦
    脚本:那須真知子
    出演:秋吉久美子/ティナ・ジャクソン/渡辺裕之/佐藤允/岸田森

    大切な人を相次ぎ亡くした女性の悪夢のような体験を描く戦慄のホラー。独特の作風で評価を高めていた大林宣彦監督が、キャリアの初期に手掛けた2時間ドラマで、場面の隅々に大林監督らしいシュールな趣向が凝らされた衝撃作。ケンカ別れした恋人が事故死し、精神不安定のままウィーンから帰国した涼子(秋吉久美子)は、結婚式の最中に転落死した姉の結婚相手だった浩二(渡辺裕之)の住む洋館にやってくる。浩二の姪、ありす(川村ティナ)のピアノの教師として洋館に住むことになった涼子だが、次々と不可解な出来事が起こる。

TVドラマ

瀬戸内の小島にひっそり暮らす大女優。その姿は30年前と同じ若さだった―。

「麗猫伝説」

  • 「麗猫伝説」
  • 放送年 1983年
    監督:大林宣彦
    脚本:桂千穂
    出演:入江たか子/入江若葉/柄本明/風吹ジュン/佐藤允/峰岸徹

    ウルトラマンでおなじみの円谷プロが制作。テレビ用映画として作られ、のちに劇場公開された16ミリ作品。引退した大女優の起用を企み、再起を掛ける脚本家が翻弄される姿を描く。スランプから再起を掛ける脚本家の志村(柄本)は、企画部長から「竜造寺明子(入江たか子・二人一役)の映画を30年ぶりに再映画化したい」と持ちかけられる。明子はすでに芸能界から引退し、マスコミの前から遠ざかっていた。志村は、美貌が衰えない明子(入江若葉・二人一役)を映画出演にひっぱり出そうとするが……。

古里映画

世界中の爆弾を花火に変えて打ち上げたら、世界から戦争がなくなるのにな―。

「この空の花 長岡花火物語」

  • 「この空の花 長岡花火物語」 TV初
  • 公開年 2012年
    監督:大林宣彦
    脚本:長谷川孝治/大林宣彦
    出演:松雪泰子/高嶋政宏/原田夏希/猪股南/寺島咲/筧利夫

    新潟県長岡市で毎年8月に開催される花火大会をモチーフに、いくつもの苦難を乗り越えてきた長岡市の歴史と人々が花火に託した想いを描く、渾身の「古里映画」。大林宣彦監督が、初の全編デジタル撮影で映画のさらなる可能性を切り拓き、現在と過去、虚構と現実の垣根を超え、平和への祈りを託す。
    天草の地方紙記者である玲子(松雪泰子)は、東日本大震災の際、被災者をいち早く受け入れた長岡市に取材にやって来た。しかし、彼女をこの地に引き寄せた理由はもう一つあった。それは、かつての恋人で高校教師の健一(高嶋政宏)から届いた、長岡の花火を見てほしいという手紙だった。

古里映画

人は常に誰かの代わりに生まれ、誰かの代わりに死んでゆく―。

「野のなななのか」

  • 「野のなななのか」 TV初
  • 公開年 2014年
    監督・脚本:大林宣彦
    原作:長谷川孝治
    出演:品川徹/常盤貴子/村田雄浩/松重豊/柴山智加/山崎紘菜/窪塚俊介/寺島咲

    北海道芦別市を舞台に、生と死の境界線が曖昧な「なななのか(四十九日)」に起こる家族と戦争の壮大な物語。大林宣彦監督の前作「この空の花 長岡花火物語」の姉妹編と言える作品で、今度は北海道のかつての炭鉱の町・芦別市を舞台に再び市民とともに自主製作で作り上げた大林流“古里映画”。風変わりな古物商“星降る文化堂”の老主人で元病院長の鈴木光男(品川徹)が3月11日に92歳で他界する。疎遠だった親族の面々が葬儀で久々に揃う中、謎めいた風情の信子(常盤貴子)が現れる。この生と死の境界が曖昧な“なななのか(四十九日)”の期間に姿を見せた不思議な信子の存在が、医大生だった光男のある女性をめぐる悲痛な青春が浮き彫りにされる。

尾道三部作

おれがあいつで、あいつがおれで―。

「転校生」

  • 「転校生」
  • 公開年 1982年
    監督:大林宣彦
    脚本:剣持亘 原作:山中恒
    出演:尾美としのり/小林聡美/佐藤允/樹木希林/宍戸錠/入江若葉/志穂美悦子

    大林宣彦が自らの故郷・尾道にキャメラを向け、思春期の少年と少女の体が入れ替わることで、かけがえのない青春の痛みをコミカルに描いた名作。「時をかける少女」「さびしんぼう」と続く"尾道三部作"の第1作。ある日、斉藤一夫(尾美としのり)のクラスに幼なじみの女の子・斉藤一美(小林聡美里見)が転校してくる。二人はふとしたことから心と体がそっくり入れ替わってしまい、ガキ大将の一夫は途端に女っぽくなり、 一美は荒っぽく変貌する。二人は周囲に秘密がばれないように元通りになろうとするが……。

尾道三部作

過ぎていくものじゃない。時間は、やって来るものなんだ―。

「時をかける少女」

  • 「時をかける少女」
  • 公開年 1983年
    監督:大林宣彦
    脚本:剣持亘 原作:筒井康隆
    出演:原田知世/高柳良一/尾美としのり/津田ゆかり/上原謙/岸部一徳/根岸季衣

    筒井康隆の原作を舞台に映画化したSFファンタジー。「転校生」に次ぐ「尾道三部作」第2作。本作で映画デビューを果たした原田知世の魅力を刻み込んだ角川アイドル映画の金字塔であり、現在でも新たなファンを生み出し続ける永遠の名作。
    ある土曜日の放課後、実験室で強いラベンダーの香りを嗅いで気を失った和子(原田知世)は、それ以来時間の感覚がおかしくなって不思議な体験をするようになる。和子は知らぬ間にタイムトラベラーとなってしまったのだ。ある日未来からやってきた男の子・一夫(高柳良一)と運命的な出会いをするが……。

尾道三部作

人を愛することは、淋しいことだ。だから、人は誰でもさびしんぼう―。

「さびしんぼう」

  • 「さびしんぼう」
  • 公開年 1985年
    監督:大林宣彦
    脚本:剣持亘/内藤忠司/大林宣彦 原作:山中恒
    出演:富田靖子/尾美としのり/藤田弓子/小林稔侍/佐藤允/岸部一徳/樹木希林

    ピアノの詩人・ショパンの甘美な調べ「別れの曲」に乗せて、風変わりな少女が観る者をノスタルジックな世界へと誘う「尾道三部作」の完結編。高校2年生のヒロキ(尾美としのり)は、 下校途中に見かけるピアノを弾く憧れの君(富田靖子)に“さびしんぼう”と名付けていた。そんなヒロキの前にピエロの化粧をした不思議な女の子(富田・2役)が現れ、 自ら“さびしんぼう”と名乗る。「人を恋することはとっても淋しいから、 だからあたしは、 さびしんぼう」。たびたび現れて騒動を巻き起こすこの“さびしんぼう”を、 ヒロキは最初は煙たがるのだが……。

大林宣彦監督
スペシャルインタビュー

『転校生』(’82年)、『時をかける少女』(’83年)など数々の名作を生み出した映像の魔術師・大林宣彦監督。最新作となる『花筐/HANAGATAMI』(12月16日(土)公開)は、1977年の商業映画デビュー作『HOUSE ハウス』(’77年)より以前に書き上げられていた幻の脚本を映画化。自分の命さえ自由にならない太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちを主軸に、心がヒリヒリするようなすさまじき青春群像劇を、圧倒的な映像力で描きだす。この最新作公開を記念して、岩井俊二監督と最新作『花筐/HANAGATAMI』に出演した女優・常盤貴子を相手に映画人生を語り尽した。

大林「岩井さん、貴子ちゃん、今日は来てくれてありがとう。岩井さんと貴子ちゃんが並んでいる姿を見ることができてうれしいですよ。これもご縁だね。映画というものはご縁ができて結びつくものだから、映画で世界中が結びつけばいいですよね」

――大林監督の最新作『花筐/HANAGATAMI』をご覧になった感想は?

岩井「とてもエネルギッシュで驚きました。大林監督はご病気の中で撮影したと聞いていたので、ワンカットずつ丁寧に手がけた、静かな映画なのかなと思ったのですが、とんでもない。かつて『HOUSE ハウス』という映画がありましたが、あれに匹敵するようなパワフルな映画でしたね」

常盤「大暴れでしたね(笑)。もともと私は、監督の家にお邪魔した時に原作をお借りして読んだのですが、台本になった時に、大林監督のフィルターを通すとこんな風になるのかと思った記憶があります」

――岩井監督がおっしゃる通り、『花筐/HANAGATAMI』は、大林監督の商業映画デビュー作となった1977年の映画『HOUSE ハウス』をほうふつとさせる作品でしたが、この両作はどのような関係性なのでしょうか?

大林「40年前に『花筐/HANAGATAMI』を映画化したいと思っていたのですが、それはいろいろな理由でできなかった。そんな時に東宝から頼まれて作ったのが『HOUSE ハウス』でした。この2本の作品はブックエンドというのかな。両脇に『HOUSE ハウス』と『花筐/HANAGATAMI』があって。だからこの2本は対になる作品なんですよ。一見、『花筐/HANAGATAMI』の純文学がホラー映画になったものが『HOUSE ハウス』になったように思われるかもしれませんが、根っこの精神ではつながっているんです」

岩井「ここ最近、戦争を題材とした映画が続いていますね」

大林「最近は戦争の気配が近づいていると思うんです。僕たちはそういった気配に敏感なので、こういう危ないことが起きているよと考えてほしいと思っているんです。情報社会というのは知っているか知らないかが勝負。でも映画というものは物語だから、上手に映画にすることによって、その情報社会がまるで自分のことのようになる。『花筐/HANAGATAMI』は今作るべき映画になったということです。この映画の試写を行って観てくれた方からは、良い悪い、好き嫌い、といった感想を述べた人はいなかった。何か身に迫るような切迫感があって、今、自分が考えなければいけない作品であるという意見が多かったですね」

――常盤さんにとってあらためて大林作品の魅力とは?

常盤「現場の撮影状況自体、他の現場とはまったく異なるんですね。制作体制も違うし、スタッフの雰囲気も違う。皆さん優秀なんですが、ちょっとしたファミリーのような、劇団のような連帯感もあって。撮影が始まってからも、とにかく監督が自由にいろいろなアイデアを持っている人なので、そこに振り回されるんですけど、それが楽しくて仕方がない。台本に書かれていた通りに、今までの経験でこう撮るであろうということがいかに普通のことなのか、と思わされます。大林組の撮影は刺激的な日々で、いつも監督に言われたことをしなければいけないという意味では、毎日が戦いであるという思いがあります」

大林「常盤貴子はわたしの映画の娘でございますから、父親から反論させてもらうと、振り回されているのはわたしの方なんですよ(笑)。例えば楽しいシーンのシナリオを書いているのに、彼女はふと暗い表情をする。なんでそんな表情をするのか。このシーンの背後にあるものを察知して、その表情がポッと出るんですね。そして僕としてはそれを捉えたいと思ってしまうわけです。とにかく現場が生きているわけですから。人生にテストがないのに、なぜ現場にテストが必要なのかと思っているんですが、まさにその瞬間を撮るためには振り回されっぱなしですよ。何が出てくるか分からないわけですから(笑)」

岩井「若い世代のクリエーターたちにお言葉をいただけたらと思うのですが」

大林「岩井さんが作詞を担当した東日本大震災のチャリティーソング『花は咲く』はみんなが歌いやすい歌になっていて本当にすばらしかった。息子の世代があんなすばらしいことをやっているのに、戦争を知っているわれわれの世代がサボってはいけない。年をとってがんになるのは当たり前。おじいちゃんでもやれることがあるぞと。世界はアンハッピーで、不幸で傷つけられている人も多いし、それが現実でしょう。それでも諦めずに、穏やかで平和な日が来ることを信じて、たぐり寄せてみようと。それがうそから出たまこと、ということ。時代がうそから出たまことを必要としているのならば、僕たちも頑張らないといけない。それを実現させたいというのが、80歳の映画作家の願いであるわけです」

撮影:大川晋児
取材・文:壬生智裕

ヘアメイク(常盤貴子):岩部杏子
スタイリスト(常盤貴子):市井まゆ
衣装(常盤貴子):REKISAMI

「大林宣彦映画祭!~花筐花言葉 今伝え遺したいこと。大林宣彦×岩井俊二×常盤貴子特別鼎談~」©日本映画専門チャンネル 撮影:大川晋児
「HOUSE ハウス」©東宝 「可愛い悪魔」©円谷プロ 「麗猫伝説」©円谷プロ
「この空の花 長岡花火物語」©2011 「長岡映画」製作委員会 PSC
「野のなななのか」©2014 芦別映画製作委員会/PSC 「転校生」©1982日本テレビ・ATG
「時をかける少女」©KADOKAWA 1983 「さびしんぼう」©東宝