追悼特集・鶴橋康夫-映像の魔術師-

社会派ドラマの名手として、半世紀以上にわたり数多くのTVドラマの演出を手掛け、映画監督としても活躍した鶴橋康夫。
独特の映像美で人間が秘めた欲望や狂気を描き、ギャラクシー賞をはじめ数多くの賞を獲得したことから「映像の魔術師」「賞男」の異名を持った。
昨年10月に亡くなった鶴橋康夫の一周忌に合わせ、キャリアの黄金期である80年代から90年代の傑作ドラマ4作品を2ヶ月にわたりお送りします。

10月9日(水) よる7時30分~

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雀色時
放送日:10月9日、10月16日
1992年・カラー    監督:(演出)鶴橋康夫   脚本:野沢尚  
出演:浅丘ルリ子/役所広司/赤井英和/洞口依子/津川雅彦  

家庭を捨てた女性が、ある猟奇的な事件を機に過去や現在と対峙するミステリー。公私ともにどん底に喘ぐ女性弁護士の苦闘を通し、現代社会に潜む狂気や闇に迫り、文化庁芸術作品賞など数々の賞に輝いた。暴力的な夫や一人娘の朋美(洞口)からも逃げた弁護士の遼子(浅丘ルリ子)は、仕事への不満や孤独を紛らすべく酒に溺れていたが、消息を絶った夫と娘の捜索に乗り出すうちに、夫の同僚だった仁科(役所広司)にも関わる醜悪な真相を突きつけられる。

雀色時(C)よみうりテレビ
愛の世界 暴かれたプライバシー
放送日:10月9日、10月15日
1990年・カラー    監督:(演出) 鶴橋康夫    脚本:野沢尚  
出演:大竹しのぶ/役所広司/小林稔侍/森本レオ/ベンガル/岸部一徳/二木てるみ  

第6回芸術作品賞、ギャラクシー優秀賞ほか多くの賞に輝く、大竹しのぶ主演作品。実際にアメリカで起こった事件を日本におきかえて現代のマスコミが抱える問題を描く。新聞社の社会部記者として働く江上尋子。特ダネ探しに焦り、疲れ切った尋子は、切り札として握っていたひとりの少女の悲惨な体験を「都会の孤独」という連載企画に書く。「この愛の世界」は記者クラブ連盟賞を受け賞賛される。が、この記事がでっちあげではないかとの疑いを持たれるようになる。

愛の世界 暴かれたプライバシー(C)よみうりテレビ