国内外で注目される濱口竜介監督が、“偶然”を主題に手掛ける自身初の短篇集。偶然に導かれる人物たちのスリリングな対話が紡ぐ意外な顛末を描く３篇で構成された、ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作。芽衣子（古川琴音）は友人のつぐみ（玄理）のノロケ話に心が騒ぎ、ある男を訪ねる。作家で大学教授の瀬川（渋川清彦）を逆恨みする佐々木（甲斐翔真）は、同級生の奈緒（森郁月）と瀬川を陥れようとする。夏子（占部房子）は仙台駅であや（河井青葉）と20年ぶりに再会するが、思い出に浸るうちに違和感を覚える。

ワークショップで見出された、演技経験のない4人の女性たちが2015年のロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し、世界的にも大きな話題となった一作。つねに挑戦的な意欲作を発表し続ける濱口竜介監督の5時間を超える超大作。30代後半のどこにでもいる普通の女性たち4人が、それぞれの家庭や仕事、人間関係の中で不安や悩みを抱えつつ生きていく様を、緊張感あふれるドラマとして見事に表現している。ロカルノでは脚本スペシャル・メンションも受賞。ほかにフランスのナント三大陸映画祭「銀の気球賞」（準グランプリ）と観客賞を受賞した。バツイチの看護師あかり（田中）、中学生の母の桜子（菊池）、仕事も夫婦関係も順調そうな芙美（三原）、夫と二人暮らしの純（川村）は、境遇は違えど固い友情を育んでいたが、ある秘密が各々に波紋を投げかける。※本編開始から1時間46分後、3時間26分後にインターミッション（各3分）が入ります。

斗吾（トウゴ）の暮らす町に弟・千尋が引っ越して来た。その日以来斗吾の町では不穏なできごとが起こり始める。

喪失の痛みを抱える演出家と女性ドライバーの心の交流と再生を描く人間ドラマ。濱口竜介が村上春樹の同名作を軸に別の短篇や多言語演劇の要素も盛り込み、カンヌ国際映画祭4冠やアカデミー賞国際長篇映画賞などに輝き、国際的名声を得た。舞台俳優・演出家として成功し、充実した毎日を送っていた家福悠介（西島秀俊）は、脚本家として彼を支えていた妻・音（霧島れいか）と平穏な日々を過ごしていたが、音が、今夜話したいことがある、と悠介に告げた直後に急死。心に大きな喪失感を抱えたまま、2年後、広島の演劇祭で『ワーニャ伯父さん』の演出を任された家福は、専属ドライバーのみさき（三浦透子）と出逢う。