巨匠・黒澤明の世界的名作。市役所の市民課長・渡辺（志村）は29年11ヶ月無欠勤の模範的な役人だったが、ある日自分が胃ガンに冒され余命少ないことを悟る。渡辺は今までの人生を振り返り、人生の最後に本当に市民の役に立とうと公園建設に情熱を注ぐ…。非人間的な官僚主義に対しての批判と、人間が生きる上での哲学がストレートに表現され、志村の鬼気迫る演技が作品に深い感銘を与えている。ベルリン映画祭においても受賞に輝いた。

黒澤明監督「生きる」（52）を、同時代の英国を舞台にリメイクした注目作。ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが脚色し、共鳴するオリジナルへ畏敬の念を込めつつ英国ならではの特色も盛り込み、新鮮な感慨を生む逸品。1953年のロンドン、役所で淡々と仕事をこなしてきたウィリアムズ（ナイ）は、余命半年の宣告を受けたのを機に人生を見つめ直し、かつての部下・マーガレット（ルー・ウッド）に背中を押され、地域の母親らの願いを叶えるべく奔走する。