北野武監督初作品。一匹狼の刑事・我妻(ビートたけし)は、その凶暴さゆえに署内でも異端視されていた。ある日、麻薬売人の惨殺死体が発見された。捜査を進める我妻は、麻薬犯罪組織に青年実業家の仁藤(岸部)と親友の刑事・岩城(平泉)が関わっていることにたどり着く。しかし、岩城は口封じのためにあっけなく殺されてしまう。警察はそれを闇に葬り去ろうとしていた。一方、仁藤の傘下の殺し屋・清弘(白竜)の仲間たちは、我妻の妹をシャブ漬けにして輪姦する。我妻は静かに怒りと狂気を募らせ、仁藤、清弘らに向かっていく。
ガソリンスタンドに勤めている雅樹(小野)は、これといって取り柄のない覇気のない青年。草野球チーム"イーグルス"に所属している。試合後、ガソリンスタンドに戻った雅樹は暴力団大友組組員に因縁をつけられ、つい手を出してしまう。これをきっかけに、草野球チームと暴力団の全面抗争に発展する。雅樹と仲間たちは沖縄に行き拳銃を手に入れ、大友組の様子を探るが、仲間がメタメタにやられてしまう。ひとり逃げ延びた雅樹は、ガソリンスタンドからタンクローリーを盗み、大友組事務所に突っ込むことに!しかし、これでジ・エンドとはいかなかった......。
北嶋組の幹部・村川(ビートたけし)は、ヤクザを辞めたいと思っていた。そんな中、組長から沖縄の中松組と敵対する阿南組の抗争に助っ人に行くよう命じられる。しかし抗争は村川らが来たことで激化してしまう。襲撃で多くの組員が死んでしまい、生き残った村川は、弟分の片桐(大杉)やケン(寺島)とともに海の近くの廃墟に身を隠した。東京の北嶋組とも連絡がつかず、暇を持て余した村川らは、花火や釣りや相撲に興じ、つかの間の日々をおくる。しかし殺し屋がやって来て、片桐、ケンらが殺されてしまう-村川は、中松組と阿南組の手打ち式の会場に襲撃をかける。 美しい沖縄の海にうっすらと"死"の予感が漂う。暴力と儚い美しさ。第4作目にして、北野映画の到達点。第46回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されるや、高く評価され、世界にキタノが見いだされた作品。
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「その男、凶暴につき」©1989 松竹株式会社、「3-4x10月」©1990 バンダイナムコフィルムワークス/松竹、「ソナチネ」©1993 松竹株式会社