銀次郎と金の亡者との白熱する頭脳戦も見ものの、人気ＯＶシリーズ第27弾。貸した金は必ず回収する銀次郎と熾烈な攻防を繰り広げる敵役ゲストに夏樹陽子を迎えサスペンス風の異色作に仕上がっている。昔なじみの町工場の社長が、経営コンサルタントを名乗る真理子（夏樹陽子）が持ち掛けた病院移転計画をめぐる儲け話で金を巻き上げられたと知った銀次郎（竹内力）は、かつて同じ手口で顧客を騙した女性の存在を思い出し調査を開始する。

長年にわたり根強い支持を獲得し続けるシリーズ第28弾。時代の変化とともに、より複雑で凶悪化する犯罪を積極的に取り上げてきた同シリーズらしく、今回もサイトの架空請求や顧客情報の売買など、誰しも巻き込まれ得る現代的な問題を分かりやすく紐解いている。バイト先の顧客データを盗んで金をせしめたことに調子づいた、ある借金まみれの芸人が、さらに儲けるべく銀次郎（竹内）から金を借りるが、失敗して姿を消してしまう。

怖い外見と明晰な頭脳とのギャップも魅力の金貸しが活躍するシリーズ第29弾。金銭欲が絡み合う、不正融資や計画倒産などをモチーフとしつつ、お人好しの似た者親子の確執と和解という人間ドラマとしても楽しめる一作。銀行からの融資と銀次郎（竹内力）への借金で念願の物件を手に入れた男は、連帯保証人となった知人が夜逃げしたために借金の返済を迫られるが、その裏には巧妙な罠が仕掛けられていた。

幅広い層の興味を惹きつけてきた大人気長寿シリーズの、ＯＶ版第３０弾。借金の末に、自己破産という選択肢を選ぶ世の風潮に疑問を投げかけるとともに、人生の節目で誰もが関わることになる葬式ビジネスの、裏側に潜むドライでダークな側面をも、鋭く浮き彫りにしている。葬儀屋だった父の急死で、銀次郎（竹内力）への多額の借金を返済すべく稼業を継いだ息子（西山浩司）だったが、私腹を肥やす元ヤクザにそそのかされ、廃業して破産の道を選ぶ。