弱者につけ込む非道な悪党を、萬田銀次郎がぶった斬る、人気シリーズ第17作。保険金という、誰もが関わり得るものの知識に乏しい題材を取り上げ、その表と裏が、人情味豊かなドラマの中で明快に描き出される。ゲイの小百合は、亡き父親の供養に、銀次郎（竹内）から借りた500万円で借金を一旦返済し、2000万円の保険金を受け取りに保険会社に行くが、裁判所から仮差し押さえ命令が出ていると聞かされ、途方に暮れているところに、甘い話が持ちかけられる。

金が呼び起こす泣き笑いをドラマティックに描く、人気長寿シリーズ第18弾。思い描いてきた理想と虚しい現実とのギャップに悩まされつつ、夢を実現させるために借金を重ねてしまう野心家を、天宮良が力演している。歌舞伎座の名流会出演を夢見ながら、独立時の借金に苦しむ日舞の家元の柴山（天宮）は、ある記者から裏金300万円で名流会に出演できると聞くも、保証人もいないまま銀次郎（竹内）からの借金も拒否され、相互に保証人となる相保証に望みを託すが……。

製作当時の世相や雰囲気を巧みに映しとってきた人気長寿シリーズ第19弾。時代に取り残され、弱みにつけこまれる債務者の苦悩に共感しつつ、彼らを救う銀次郎ならではの豪快かつ緻密な戦術が痛快な1本。金儲けに走る不動産屋が、金融被害者救済のボランティア団体の敏腕弁護士・桜井（増田）と裏で結託し、法の隙間をぬって悪事を重ねていたが、顧客の成人映画館館長や婦人服店社長も餌食となったことから、銀次郎（竹内）が一肌脱ぐ。

情感豊かなドラマに金にまつわる知識が散りばめられた、OVシリーズ第20弾。20年という歳月をめぐり急転するストーリー展開の後に、タイトルの意味が浮かび上がる、心温まる好篇に仕上がっている。運送会社を営む藤本（丹古母）は、銀次郎（竹内）からの借金で台湾ホステスの麗華（馬渕）に貢ぐが、彼女を祖国に帰すべく工面した大金を騙し取った上、麗華を別の店で働かせていたオーナーを刺して逮捕され、封印した過去が明かされる。