博打がもとで銀次郎（竹内力）から借金をしている日雇い暮らしの徳山（島田洋七）は十日毎の公平（山本太郎）の取り立てを心ならずも楽しんでいた。そんなある日、銀次郎の所へ100万の追加融資を頼みにくる。近々大金が入る当てがあるので、その元金にすると言うのだ。銀次郎から金を借り、意気揚々と引き上げていく徳山。しかし、数日後、徳山が自殺したという知らせが入り・・・萬田ファミリー、最大の危機に銀次郎は、どう立ち向かうのか！?『ミナミの帝王』シリーズ40作目。

92年に産声を上げ、12年にわたり人気を誇る長寿シリーズの、栄えある第50弾。記念すべき本作でも、アメとムチを絶妙に使い分け、貸した金を完璧に回収する銀次郎独自の美学は健在で、巧妙な詐欺事件のからくりなどを紐解きつつ、狡猾に私腹を肥やす悪党たちを見事に成敗する。顧客が元金返済もできぬままに借金を重ね、その裏に臓器売買があると知った銀次郎（竹内）は、跡目争いに揺れる組で出世を目論む若頭らに闘いを挑む。

長く愛されるＯＶシリーズの、全5章から成る長編スペシャル版の第1章。独特の正義感をも併せもつ魅力的な金貸し・萬田銀次郎を育んだ知られざる過去を明らかにしつつ、その壮絶な半生がスケール豊かに紐解かれていく。銀次郎（竹内力）が借金の回収に手を焼いていた詐欺師の顧客が、1週間のうちに金が入るとの言葉を残したまま不審な自殺を遂げるが、その死の背後には、銀次郎とその家族の運命を狂わせた宿敵・丸岡（黒沢年男）の存在があった。

銀次郎の謎多き半生にも迫る、全5章で構成された特別編の第2章。豪快なキャラクターで愛される銀次郎が、封印してきた過去と向き合うことで、繊細な側面も覗かせる貴重な大作。謎の自殺を遂げた顧客の死の真相を追う銀次郎（竹内力）は、彼があるローン会社の男をゆすっていたとの情報を掴むが、その背景には、借金に苦しむ者に金融屋を斡旋することで巨額の紹介料を手にする詐欺組織・丸岡興業の存在があった。

銀次郎と因縁の宿敵との対決を全5章で描く、長編スペシャル版の第3章。特別編らしく、銀次郎の影に隠れてあまり触れられることのなかった舎弟の拓也にもスポットが当てられる、見所多彩な1本。父親の借金返済のために水商売を続ける娘に惚れた拓也（古本新之輔）は、銀次郎（竹内力）から借りた200万円で清算を試みるが、さらに500万円の債務を言い渡す丸岡（黒沢年男）は、彼女を利用し萬田金融の顧客リストを入手しようと目論む。

全5章に分け丹念にドラマを紡ぎ出してきた、人気シリーズの特別編の第4章。幾多の悪党にも勝利してきた銀次郎が最大の危機に見舞われ、因縁の最終決戦へとボルテージを高める。顧客が次々と借金を返して窮地に立たされた銀次郎（竹内力）が、丸岡（黒沢年男）からの萬田金融を3千万で買収するとの申し出に屈辱を覚える中、弱みを握る丸岡に命じられ銀次郎の顧客情報を盗み出した拓也（古本新之輔）の恋人が自殺を図ってしまう。

5時間の長丁場を、人物像を掘り下げスケール豊かに描いた特別版の完結編。これまで見せたことのない銀次郎の様々な表情を捉えつつ展開してきた宿敵との対決が、遂に終結する。丸岡（黒沢年男）の悪質なやり口の数々に怒りを煮えたぎらせる銀次郎（竹内力）は、家庭を崩壊させた積年の恨みと、愛する女性を追い詰めた復讐心から逆に深手を負った拓也（古本新之輔）の無念を晴らすため、意地とプライドを懸けた逆襲に打って出る。