「状況劇場」「劇団 唐組」を率い、戦後の日本演劇界を代表する劇作家、演出家にして、芥川賞 受賞の小説家、また俳優としても唯一無二の存在感で舞台、映画、テレビで長年にわたり活躍した稀代の表現者、唐十郎の没後1年に合わせて唐十郎の映像作品を特集。比類なき熱量で「昭和」を駆け抜けた天才・唐十郎を振り返ります。
5月8日(木)~5月22日(木)毎週木曜よる10時
出演:安藤昇/根津甚八/李礼仙/宍戸錠/小松方正/真山知子/天津敏/小林薫/常田富士男/唐十郎
暗い秘密で結ばれた男たちの抗争と性の葛藤を描く異色ヤクザ映画。安藤昇と宍戸錠を迎え、新宿・花園神社での紅テント活動で物議をかもしたアングラ演劇の旗手・唐十郎が映画監督に初挑戦。玄海灘。一匹狼のヤクザ・近藤(安藤昇)は沢木組の代貸・沢木(宍戸錠)の指令で、韓国から密航して来た女たちを売りさばく仕事を請けていた。二人は25年前、朝鮮戦争のさなかにアメリカ軍属の特権を生かして暴虐の限りを尽くした過去があった…。
出演:横尾忠則/横山リエ/田辺茂一/高橋鉄/佐藤慶/渡辺文雄/戸浦六宏/唐十郎/麿赤児/大久保鷹/李礼仙
60年代末、安保闘争真っ盛りの東京・新宿。既成の価値観に反抗し挑発的な雰囲気に溢れるアナーキーなこの街を、手持ちカメラでドキュメンタリータッチに捉えた大島渚の実験的意欲作。フーテンと呼ばれる若者たち、ベトナム反戦のフォークソング集会、唐十郎の"紅テント"、寺山修司主宰の演劇集団・天井桟敷の街頭パフォーマンス、そして68年の新宿騒乱などが、エクスタシーを求めて街中をさまよう青年(横尾忠則)と少女(横山リエ)を通して描かれる。
出演:唐十郎/劇団唐組
1967年、新宿・花園神社の紅(あか)テント公園で、演劇界に革命的な衝撃を与えた天才劇作家・唐十郎。それから40年、67歳(撮影当時)になった今も芝居に対する情熱は衰えることを知らず、唐は自らを「偏執狂」と呼ぶ。2006年秋の新作戯曲執筆から2007年春の公演初日までを追った今回のドキュメントには、芝居作りに賭ける唐のすさまじい「偏執」ぶりがありありと描き出される。その才能に惹かれ、唐のもとに集まった劇団唐組の面々は現在14名、平均年齢30歳。俳優としての修行と同時に、座長という圧倒的な存在を受け入れる修行を続けている。格差社会と呼ばれ、経済至上主義が蔓延する時代の波とは全く無縁に、信じた道を走り続ける唐十郎と若者たち。どこまでもシアトリカル(=劇的)に、演じ、語り、怒鳴り、笑い、炸裂する!この映画は、平成の世を疾走する最重要無形文化財の魂の記録である。