多くの尊い命が失われた太平洋戦争が1945年8月15日に終結してから、今年で80年という大きな節目を迎えます。
80年の間に、多くの太平洋戦争を描いた映画作品が作られてきました。
三國連太郎、鶴田浩二、高倉健、北大路欣也――昭和の銀幕を彩った名優たちがスクリーンに刻んだ戦争に対しての思いは、
戦争の虚しさと平和の尊さを見た人達に訴えかけてきました。
チャンネルでは節目となる今年、昭和の名優たちが織りなす太平洋戦争をテーマにした作品を放送。
映画を通じて、過去の歴史を振り返り、平和の大切さを考えてほしいと願います。
8月11日(月・祝)よる9時より放送
出演:鶴田浩二/高倉健/梅宮辰夫/三田佳子/千葉真一/南廣/水木襄/田崎潤/久保菜穂子
終戦間近に編成された神風特攻隊と人間魚雷回天を題材にしたオールスターキャストの戦記もの。搭乗する若き士官たちの海空での活躍振りを、男の友情を織り交ぜながら迫真の海空大作戦を描く。特攻隊員三好少尉に梅宮辰夫、同結城少尉に千葉真一、回天搭乗員陶山少尉に水木襄が、特攻隊隊長大国少佐に鶴田浩二、潜水艦艦長近藤少佐に高倉健が恩情溢れる上官を演じる。第二次大戦末期、九州三楯では特攻隊が編成され、大国(鶴田浩二)を隊長に決死の覚悟の隊員が次々飛び立つ中、エンジン不調で帰還した三好(梅宮辰夫)は、敵前逃亡と周囲に非難されながらも新たな機会に備え動じずにいた。一方、マリアナ沖でも人間魚雷の搭乗員が若い命を散らしていた。
出演:小林桂樹/三橋達也/丹波哲郎/長門裕之/鶴田浩二/森繁久彌/永島敏行/金田賢一/中井貴一
司令官、参謀、飛行士などの下級兵員と、さまざまな階級の人々のエピソードを交錯させながら、戦艦大和が撃沈されるまで、日本海軍連合艦隊がいかに戦い、いかに敗れていったかを壮大なスケールで描いた大作。昭和16年、連合艦隊がミッドウェイ海戦で大敗を喫してから戦局は悪化の一途をたどり、レイテ沖海戦に破れた連合艦隊は決定的なダメージをこうむる。ついに戦艦大和に沖縄特攻の作戦命令が下り・・・。中野昭慶の特撮による戦闘場面とミニチュアの戦艦大和が秀逸。劇場公開版を放送。
出演:池部良/岡田茉莉子/三國連太郎/中北千枝子/平田昭彦/根岸明美
戦中に流行していた戦争歌謡「ラバウル小唄」に絡めて作られた戦争メロドラマ。監督・本多猪四郎と特技監督・円谷英二という、数々の東宝特撮映画を手がけた名コンビが「ゴジラ」の直前に手がけた。太平洋戦争末期、ラバウル駐在の航空隊長・若林(池部)は、撃墜の腕を誇る鬼隊長として有名だった。特に現地女性との愛を許されぬ野口中尉(平田昭彦)などは特に反感を抱く。だが、窮地に陥った彼を単機迎えに出たのは他ならぬ若林だった。誤解が解けはじめたとき、若林は彼を慕う看護婦・すみ子(岡田)を救うために、宿敵ハイン機に立ち向かう…。
出演:加山雄三/堤大二郎/橋爪淳/あおい輝彦/目黒祐樹/早見優/丹波哲郎/北大路欣也
第二次大戦で活躍した帝国海軍の名機"零式艦上戦闘機(零戦)"の誕生から散っていくまでを、関わった男たちの運命とともに描く。原作は、週刊文春に連載された柳田邦男の同名小説。本作の撮影のために、エンジンを仕込んでプロペラを回すことのできる実物大の零戦が作られた。零戦の勇姿に魅せられて横須賀海兵団に入団した浜田正一(堤)と水島国夫(橋爪)は、それぞれの道で活躍していた。やがて、浜田たちの零戦の大編隊は、ゼロファイターと呼ばれ、連合軍に恐れられるようになる。
出演:中村敦夫/北大路欣也/ジョン・ハワード/胡茵夢/黒木瞳/坂上二郎/小松方正/藤岡琢也/志垣太郎/鈴木瑞穂/内藤武敏/寺田農
戦時下の風潮に抗い、敵対関係を越えた熱い友情を築く様を描く人間ドラマ。大作戦争映画にも手腕を発揮する丸山誠治監督が、多彩なキャストの日豪合作に挑み充実のキャリアを締めくくった注目作。太平洋戦争中の日本統治下のシンガポールでは、シンガポール奪還を目指す英・豪連合軍が日本軍の艦船を爆破し、指揮官のペイジ(ジョン・ハワード)らが捕虜となるが、憲兵隊の横暴に胸を痛める通訳官の田宮(中村敦夫)は、軍を牽制しつつペイジと親交を深める。
出演:三國連太郎/安井昌二/浜村純/内藤武敏/西村晃/春日俊二/中原啓七/伊藤寿章/土方弘
昭和23年に発表された竹山道雄の児童文学作品を市川崑が監督。戦死した同胞の供養のため、たった一人ビルマの戦地に残った若い兵士を通して平和と人間愛をうたいあげた感動の物語。太平洋戦争末期のビルマ。タイへ逃れる途中、停戦を知った井上隊長(三國)率いる日本軍の一隊は、ムドンにあるイギリス軍の捕虜収容所に送られることになった。が、水島一等兵(安井)だけは、付近でいまだ徹底抗戦を続ける日本軍の友軍に降伏を勧めていた。時間切れで友軍はイギリス軍の砲撃にさらされ、水島は死んだものと思われたが、ムドンに着いた仲間たちは、ある日、水島と良く似たビルマ僧に出会う・・・。ヴェネチア映画祭サン・ジョルジオ金賞受賞。 ※二部作を再編集した[総集篇]にて放送。
出演:北大路欣也/三田佳子/千葉真一/杉村春子/北原しげみ/加藤武/荒木道子/加藤嘉/東野英治郎/江原真二郎/梅宮辰夫
太平洋戦争初期が背景の、岩田豊雄の同名小説を映画化した青春群像劇。朝日文化賞受賞作を、恋愛要素も加味して新藤兼人が脚色し、時代劇スターとして売り出し中の北大路欣也が、初現代劇で献身的な将校を熱演。海軍を志す幼馴染の隆夫(千葉真一)に感化され、兵学校に入学した真人(北大路欣也)は、乱視で不合格の親友の分まで邁進し、自身に想いを寄せる隆夫の妹・エダ(三田佳子)らに見守られ、特殊潜航艇で真珠湾を攻撃する特務命令遂行へと発つ。
出演:鶴田浩二、松方弘樹、夏八木勲、千葉真一、佐久間良子、藤純子、天知茂、高倉健
ベストセラーとなった海軍飛行予備学生の手記「あゝ同期の桜 かえらざる青春の手記」を基に、豪華キャストで映画化。刹那的な生の在りようを情感豊かに描いてきた中島貞夫監督が、特攻隊として散った若者たち個々の生命の輝きをリアルに映す、痛切な反戦映画。昭和18年、学業半ばで海軍二等兵として舞鶴海兵団に入団した白鳥(松方弘樹)は、同期の半沢(千葉真一)らと厳しい訓練を重ねる中で、かけがえのない友情を育んでいくが、日本軍の敗色が濃厚になった昭和20年4月、決死の特攻作戦に身を投じる。鶴田浩二は特攻作戦の指揮官、陣之内大尉に扮する。