【山田太一劇場】12月「夏の故郷(総集編)」「ながらえば」ほか

「山田太一劇場」は2019年12月をもって終了となります。
長らくご視聴頂き、ありがとうございました。

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夏の故郷(総集編)(全4回)
1976年・TV・カラー    監督:(演出)佐藤隆   脚本:山田太一  
出演:竹下景子/佐野浅夫/下條アトム/中北千枝子/夏八木勲/峰竜太/佐藤輝昭  

地方を取り巻く事象に光を当てる、銀河テレビ小説『ふるさと』シリーズの1本。都会が舞台の名作も数多い山田太一が、綿密な取材を経て、地方出身者の心情にも寄り添う逸品。嫁不足にあえぐ岩手の農村を離れ、東京で就職した正子(竹下)は、大勢の上京組に紛れてお盆に帰省するが、農家の後継ぎの縁結びのために奔走する父・重一(佐野)や、恋に破れ未だ独身の兄・俊太郎(夏八木)らの苦悩にふれ、都会と違う田舎にまつわる様々な問題を知る。

「夏の故郷(総集編)(全4回)」(C)NHK
ながらえば
放送日:12月17日、12月21日、12月29日
1982年・TV・カラー    監督:(演出)伊豫田静弘   脚本:山田太一  
出演:笠智衆/長山藍子/宇野重吉/堀越節子/中野誠也/佐藤オリエ  

名脚本家と名優が四つに組み、妻との別れに瀕する老夫の心境を描くドラマ。脂の乗り切っていた山田太一が、松竹の助監督時代からの念願だった笠智衆を主演に、老夫婦の愛の形を真摯に見つめた名作。重病の妻を名古屋の病院にひとり残し、転勤先の富山で息子一家と同居することになった隆吉(笠)は、妻に逢いたい一心で衝動的に列車に飛び乗るが、料金不足で途中下車を余儀なくされる。その駅で、妻を亡くしたばかりの旅館の主人(宇野)に遭遇する。

「ながらえば」(C)NHK
冬構え
放送日:12月21日、12月24日、1月5日
1985年・TV・カラー    監督:(演出)深町幸男   脚本:山田太一  
出演:笠智衆/岸本加世子/小沢栄太郎/藤原釜足/金田賢一/せんだみつお/沢村貞子  

四季になぞらえた人の一生の終焉を、山田太一が洞察する痛切な人間ドラマ。死を覚悟した老人の孤独な胸中を力演する笠智衆を、藤原釜足、沢村貞子ら世代の近い名優が強力にサポートし、味わい深いアンサンブルを奏でる。妻に先立たれ、心身の衰えを痛感する圭作(笠)は、子や孫に負担をかけたくないと、全財産と遺書を携えて熊本を旅立つ。晩秋の東北地方へと向かう道中、一人旅を続ける老婦人(沢村)や、前途ある若い恋人たちと触れ合う。

「冬構え」(C)NHK
今朝の秋
放送日:12月21日、12月24日、1月5日
1987年・TV・カラー    監督:(演出)深町幸男   脚本:山田太一  
出演:笠智衆/杉村春子/杉浦直樹/倍賞美津子/樹木希林/加藤嘉/名古屋章/五大路子  

忍び寄る死の影が、解体した家族に投げかける波紋を丹念に描くドラマ。小津作品などで共演した笠智衆と杉村春子が元夫婦を巧演するほか、山田太一の脚本を熟知した深町幸男の演出、武満徹の音楽なども絶妙に噛み合った逸品。蓼科に隠居する鉱造(笠)は、一人息子の隆一(杉浦)が余命わずかと知り、東京の病院に駆けつけるが、そこで約20年前に離婚したタキ〈杉村)と気まずい再会を果たす。父として途方に暮れる中、鉱造は密かに息子を蓼科に連れ帰る。放送文化基金賞本賞、毎日芸術賞(深町幸男演出)ほか多くの賞を受賞した。

「今朝の秋」(C)NHK