8月は、<脚本家・小林政広の仕事>と題し、三回忌を迎える彼が脚本を手掛けたピンク映画(R-15版)を一挙にお届け。
そこかしこに気の利いた台詞が散りばめられウェット過ぎずコミカル過ぎず絶妙なバランスで淡々と進行していく物語、
リフレインされるエピソード、滑稽とシニカルを行き来する人物描写、そして思い切りツイストの効いたエンディングなど、
やはり小林政広の書く脚本には彼にしかないオリジナリティがあり、その作品を観れば極上のエンターテインメントと
カタルシスの味わえることを実感するであろう本特集に、是非ともご期待頂きたい!
8月19日(月)~22日(木)連日深夜0時より
※3作品連続放送(全12作品)
出演:河名恵美/伊藤猛/葉月螢/林由美香/本多菊雄/川瀬陽太/酒井健太郎/長坂しほり/佐野和宏
恐怖や煩悩と闘う映画監督とヤクザの娘との、奇妙な共同生活を綴る官能劇。サトウトシキ監督×脚本・小林政広の黄金コンビによる1作で、ピンク映画界の実情も盛り込みつつ、出逢うはずのない二人の交友を情感豊かに描出。売れない映画監督の伊藤(伊藤猛)は、最近引っ越してきた隣家の情事の喘ぎ声に悶々としていたが、その隣人から駆け落ち相手のヤクザの娘・君子(川奈恵美)を匿ってくれと懇願され、礼金の30万円欲しさに渋々引き受けてしまう。
※本作は、1999年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります
出演:葉月螢/川瀬陽太
部屋に籠り愛欲に身を任せる男女の運命の1週間を、淡々と見つめる官能劇。脚本家として数々のピンク映画の秀作を生む小林政広の唯一のピンク映画監督作で、二人きりで繰り返される情事の中に、虚無的な男女の心の機微を描く異色作。飲み屋で出逢った美智子(葉月螢)と行夫(川瀬陽太)は、行夫のアパートで一夜をともにする。仮病で会社をサボり続ける美智子とバイト先に連絡もしない行夫は、ひたすら情事に耽るにつれ、奇妙な情愛が湧き起こる。
※本作は、2000年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります
出演:藤沙月/井上あんり/中根徹
壊れかけた夫婦の行方を、官能シーンも交えて情感豊かに描くメロドラマ。秀作揃いの佐藤俊喜(サトウトシキ)監督×脚本・小林政広の初期作で、過去に囚われ次第にすれ違う夫婦の悲痛な顛末を、激しい濡れ場も盛り込み丹念に映す。夫婦関係に悩む祐子(藤沙月)は秋山(本多菊次郎)と不倫中。愛する妻を扱いあぐねる文夫(中根徹)は、古い上着に入っていた合鍵で結婚前に祐子が住んでいた部屋に忍び込むが、物思いにふけるにつれ二人が結ばれる経緯が明かされる。
※本作は、1989年に「Eカップ本番Ⅱ 豊熟」というタイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります
出演:葉月螢/泉由紀子/伊藤猛/佐野和宏/小林節彦
ある不倫を機にすれ違っていく新婚夫婦を取り巻く男女のシニカルな愛憎劇。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビの1作で、何気ない一言から狂い始める男女の運命を、ユーモアも利かせて描出。新婚の久美子(葉月)は、小説のカルチャースクール講師の及川(佐野)に迫られ肉体関係をもつが、スクール仲間で及川の愛人・アキコ(泉)の“作家は地獄を書くもの”との言葉を真に受け、夫クニオ(伊藤)公認で不倫に励むうちに、まさかの事態に陥る。
※本作は、1996年に「不倫日記 濡れたままもう一度」というタイトルで公開された<人映画>指定作品のR-15版になります。
出演:葉月螢/沢田夏子/長曽我部容子/本多菊雄
夫婦仲が倦怠気味の悩める団地妻の複雑な女心を描く官能ドラマ。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビ独特の世界観の中で、葉月螢が愛する夫に誤解され続ける主婦の切なさを好演。結婚8年目で子のいない朝子(葉月螢)は、毎夜帰宅の遅い夫(本多菊雄)に不満を抱くも、浮気癖の収まった彼と平穏に暮らしていたが、隣人のミチコ(沢田夏子)とボウリング場で出逢った男や、朝子の夫が気になっている美女(長曽我部容子)が、生活に変化を招く。※本作は、1997年に同名タイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります。
出演:吉岡まり子/河名麻衣/槇原めぐみ/寺十吾/本多菊雄
トラウマを抱える新人看護師の愛と性を、大胆な趣向を凝らして描く官能劇。“ピンク七福神”の女池充監督のデビュー作で、先日亡くなった小林政広監督によるひねりの利いた脚本も映画ならではの高揚感を生み、高評を得た逸品。過去の後遺症で片足を引きずりセックスを嫌う看護師のアケミ(吉岡まり子)は、ある夜、橋の上で録音に励む男とすれ違う。後日、足を骨折し入院したその男・郁夫(寺十吾)と再会したアケミは、録音技師の彼に惹かれるが、医師・久保との因縁(本多菊雄)に悩まされる。
※本作は、1997年に「白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度」というタイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります
出演:江端英久/佐々木ユメカ/葉月螢/河名麻衣
恋に破れて一旦は捨てた故郷に舞い戻った男の、思わぬ災難を描く官能ドラマ。“ピンク七福神”として活躍した上野俊哉監督が、小林政広の捻った脚本を得て、身勝手な兄弟と二人の女性の愛の行方をコミカルに映す。東京で恋人にフラれ実家に戻った健司(江端英久)は、兄・良介(本多菊雄)が看護婦・美智子(佐々木ユメカ)と不倫中と知らされるが、ある晩、兄と義姉・春代(葉月螢)のセックス中に家を飛び出した成り行きで、美智子と肉体関係を持ってしまう。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります。
出演:長曾我部蓉子/本多菊雄/寺十吾/白鳥さき/平泉成
団地妻の夫殺しの顛末を、あるインタビューに応える回想形式で描く官能劇。サトウトシキ監督&脚本・小林政広の名コンビの1作で、重罪を犯すも淡々と他人事のような人妻の独白にとまどう記者を、平泉成が巧演。結婚3年目の桂子(長曾我部蓉子)は、夫の立夫(寺十吾)が夜勤に転じたのを機に新宿で街娼まがいに振る舞い、ヤクザの真二(本多菊雄)との情事に溺れる。暴力的な性交を強要する夫を撲殺した桂子は遺体を処理し、不仲だった父の墓参りに旅立つ。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります。
出演:葉月螢/沢田夏子/佐々木ユメカ/久保田あづみ
同じ団地の隣家に住む二組の夫婦の運命の変転を、スリリングに映す愛憎劇。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビで、ささいな発端から過去の因縁や欲望に絡めとられる男女の顛末を官能的に描く力作。団地の隣同士で仲の良い朝子(葉月螢)と友子(沢田夏子)。ある日、夫婦の性生活の話を機に二人の夫・圭司(本多菊雄)と新平(村木仁)も意気投合するが、立ち寄った居酒屋で明子(佐々木ユメカ)と礼子(久保田あづみ)に出逢ったことで、6人の歯車が狂い出す。
※本作は、1999年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります
出演:林由美香/横浜ゆき/さとう樹菜子/伊藤猛/本多菊雄/川瀬陽太
悩みを抱える団地暮らしの二組の夫婦と若いカップルの、奇妙な交友を描く群像劇。隣家の夫と妻同士が親密な一夜をともに過ごすことで、夫婦や愛の在りようを見つめ直す、コミカルで示唆に富む逸品。久美子(林由美香)は夫・信一(伊藤猛)の隣家の郁夫(本多菊雄)への好意に困惑し、彼の妻・アキ子(横浜ゆき)と温泉に赴く。旅先で出逢った真二(川瀬陽太)と裕子(さとう樹菜子)カップルにも触発され、妻二人で性交に到る一方、妻の置手紙を携えた信一は、郁夫をSEXに誘う。
※本作は、2000年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります
出演:宮川ひろみ/佐々木ユメカ/江端英久/佐藤幹雄
予期せず義弟と二人で暮らすことになった人妻の葛藤を描く、官能ドラマ。"ピンク七福神”として活躍した上野俊哉監督が好相性の小林政広の脚本を得て、俳優兄弟と2人の女性との愛の行方をコミカルに映す。劇団員の幸一(江端英久)と尽くす妻・明子(宮川ひろみ)が住む貸家に、幸一の弟で事務所を追われた人気俳優の真二(佐藤幹雄)が転がり込む。突然記憶喪失に陥った幸一がクメ子(佐々木ユメカ)のマンションで介抱される中、明子と真二の関係にも変化が生じる。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります。
出演:佐々木ユメカ/川瀬陽太/向井新悟/風間今日子/古舘寛治/小林節彦
甲斐性のない夫と初恋相手の間で揺れる新妻の心模様を、繊細に映す官能劇。サトウトシキ&脚本・小林政広の名コンビが、元カレに再会した人妻の顛末を、シニカルなユーモアとピンク映画愛を込めて綴る逸品。ピンク映画俳優の夫・祐司(川瀬陽太)の薄給に悩む明子(佐々木ユメカ)は、同窓会で初恋相手の真悟(向井新梧)と再会し胸が高鳴る。その頃、撮影中の祐司は助監督・村上(古舘寛治)の罵声に苛立ち、絡みの場面でNGを連発して役を降ろされてしまう。
※本作は、2004年に同名タイトルで公開された<R-18>指定作品のR-15版になります