8月は、<脚本家・小林政広の仕事>と題し、一周忌を迎える彼が脚本を手掛けたサスペンス作品とピンク映画(R-15版)を特集。
そこかしこに気の利いた台詞が散りばめられウェット過ぎずコミカル過ぎず絶妙なバランスで淡々と進行していく物語。
リフレインされるエピソード、滑稽とシニカルを行き来する人物描写。
そして思い切りツイストの効いたエンディング。
小林政広の書く脚本にしかないオリジナリティをお楽しみください。
8月18日(金)、19日(土)一挙放送!
出演:古手川祐子/渡瀬恒彦/長門裕之/森繁久彌/今福将雄/室田日出男/村井國夫/小松方正/島村佳江/塩沢とき/仁支川峰子
大学附属病院で小児科医を務める藤沼さえ子(古手川祐子)は、長い間音信不通だった父親が急死したことを知る。葬儀の日、さえ子の前に天童興業社長の天童(長門裕之)と西丸(渡瀬恒彦)というヤクザ風の男が現れ、画廊を経営していた父親の借金3億円について債権者から取り立てを依頼されているとして、借金返済のため画廊の売却をさえ子に促す。が、父の思いを無下にできないさえ子は、売却を避けるため債権者を一人一人訪ねて借用書を書き換えてもらおうとするが…。
出演:市原悦子/勝野洋/蟹江敬三/岸部一徳/網浜直子/田武謙三
弁当屋で働く悠子(市原悦子)は、実は”怪盗シルビア”の異名を取る金庫破りの大泥棒。今日も三郎(勝野洋)とコンビを組んで、ある会社からコンピューターの図面を盗んできた。そんなある日、弁当屋の常連・信夫(岸部一徳)が悠子に結婚を迫ってくる。その後、新聞でコンピューターの図面を盗まれた責任を取って会社の課長が自殺したことを知った悠子は、金庫破りをやめて信夫と結婚する決意をするのだが…。
出演: 高樹澪/牟田悌三/北村和夫/沢向要士/湯浅けい子
都電の通る下町の古びたアパートで、区役所の戸籍課で働く一人暮らしの根岸(牟田悌三)が腹に刺身包丁を突き刺した状態で死んでいた。机には遺書。孤独に耐え切れずに自殺したと思われたが…。新聞記者の早田(高樹澪)は、上司の沼田(北村和夫)にこの事件の取材を命じられ、根岸の遺品を調べるうち、ある夫婦から送られた2年前の年賀状を発見する。
出演:藤沙月/井上あんり/中根徹/夢恋次朗/菊次朗(本多菊次朗)/平賀勘一
壊れかけた夫婦の行方を、官能シーンも交えて情感豊かに描くメロドラマ。秀作揃いの佐藤俊喜(サトウトシキ)監督×脚本・小林政広の初期作で、過去に囚われ次第にすれ違う夫婦の悲痛な顛末を、激しい濡れ場も盛り込み丹念に映す。夫婦関係に悩む祐子(藤沙月)は秋山(本多菊次郎)と不倫中。愛する妻を扱いあぐねる文夫(中根徹)は、古い上着に入っていた合鍵で結婚前に祐子が住んでいた部屋に忍び込むが、物思いにふけるにつれ二人が結ばれる経緯が明かされる。
※本作は、1989年に「Eカップ本番Ⅱ 豊熟」というタイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります
出演:葉月螢/泉由紀子/伊藤猛/佐野和宏
ある不倫を機にすれ違っていく新婚夫婦を取り巻く男女のシニカルな愛憎劇。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビの1作で、何気ない一言から狂い始める男女の運命を、ユーモアも利かせて描出。新婚の久美子(葉月)は、小説のカルチャースクール講師の及川(佐野)に迫られ肉体関係をもつが、スクール仲間で及川の愛人・アキコ(泉)の“作家は地獄を書くもの”との言葉を真に受け、夫クニオ(伊藤)公認で不倫に励むうちに、まさかの事態に陥る。
※本作は、1996年に「不倫日記 濡れたままもう一度」というタイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります。
出演:葉月螢/沢田夏子/長曽我部容子/本多菊雄
夫婦仲が倦怠気味の悩める団地妻の複雑な女心を描く官能ドラマ。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビ独特の世界観の中で、葉月螢が愛する夫に誤解され続ける主婦の切なさを好演。結婚8年目で子のいない朝子(葉月螢)は、毎夜帰宅の遅い夫(本多菊雄)に不満を抱くも、浮気癖の収まった彼と平穏に暮らしていたが、隣人のミチコ(沢田夏子)とボウリング場で出逢った男や、朝子の夫が気になっている美女(長曽我部容子)が、生活に変化を招く。※本作は、1997年に同名タイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります。
出演:吉岡まり子/河名麻衣/槇原めぐみ/寺十吾/本多菊雄
トラウマを抱える新人看護師の愛と性を、大胆な趣向を凝らして描く官能劇。“ピンク七福神”の女池充監督のデビュー作で、先日亡くなった小林政広監督によるひねりの利いた脚本も映画ならではの高揚感を生み、高評を得た逸品。過去の後遺症で片足を引きずりセックスを嫌う看護師のアケミ(吉岡まり子)は、ある夜、橋の上で録音に励む男とすれ違う。後日、足を骨折し入院したその男・郁夫(寺十吾)と再会したアケミは、録音技師の彼に惹かれるが、医師・久保との因縁(本多菊雄)に悩まされる。
※本作は、1997年に「白衣いんらん日記 濡れたまま二度、三度」というタイトルで公開された<成人映画>指定作品のR-15版になります
出演:葉月螢/佐々木ユメカ/河名麻衣/江端英久/本多菊雄
恋に破れて一旦は捨てた故郷に舞い戻った男の、思わぬ災難を描く官能ドラマ。“ピンク七福神”として活躍した上野俊哉監督が、小林政広の捻った脚本を得て、身勝手な兄弟と二人の女性の愛の行方をコミカルに映す。東京で恋人にフラれ実家に戻った健司(江端英久)は、兄・良介(本多菊雄)が看護婦・美智子(佐々木ユメカ)と不倫中と知らされるが、ある晩、兄と義姉・春代(葉月螢)のセックス中に家を飛び出した成り行きで、美智子と肉体関係を持ってしまう。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された
出演:長曾我部蓉子/本多菊雄/寺十吾/白鳥さき/平泉成
団地妻の夫殺しの顛末を、あるインタビューに応える回想形式で描く官能劇。サトウトシキ監督&脚本・小林政広の名コンビの1作で、重罪を犯すも淡々と他人事のような人妻の独白にとまどう記者を、平泉成が巧演。結婚3年目の桂子(長曾我部蓉子)は、夫の立夫(寺十吾)が夜勤に転じたのを機に新宿で街娼まがいに振る舞い、ヤクザの真二(本多菊雄)との情事に溺れる。暴力的な性交を強要する夫を撲殺した桂子は遺体を処理し、不仲だった父の墓参りに旅立つ。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された
出演:宮川ひろみ/佐々木ユメカ/江端英久/佐藤幹雄
予期せず義弟と二人で暮らすことになった人妻の葛藤を描く、官能ドラマ。"ピンク七福神”として活躍した上野俊哉監督が好相性の小林政広の脚本を得て、俳優兄弟と2人の女性との愛の行方をコミカルに映す。劇団員の幸一(江端英久)と尽くす妻・明子(宮川ひろみ)が住む貸家に、幸一の弟で事務所を追われた人気俳優の真二(佐藤幹雄)が転がり込む。突然記憶喪失に陥った幸一がクメ子(佐々木ユメカ)のマンションで介抱される中、明子と真二の関係にも変化が生じる。
※本作は、1998年に同名タイトルで公開された
出演:本多菊雄/葉月螢/村木仁/沢田夏子/久保田あづみ/佐々木ユメカ
同じ団地の隣家に住む二組の夫婦の運命の変転を、スリリングに映す愛憎劇。サトウトシキ監督と脚本・小林政広の名コンビで、ささいな発端から過去の因縁や欲望に絡めとられる男女の顛末を官能的に描く力作。団地の隣同士で仲の良い朝子(葉月螢)と友子(沢田夏子)。ある日、夫婦の性生活の話を機に二人の夫・圭司(本多菊雄)と新平(村木仁)も意気投合するが、立ち寄った居酒屋で明子(佐々木ユメカ)と礼子(久保田あづみ)に出逢ったことで、6人の歯車が狂い出す。
※本作は、1999年に同名タイトルで公開された