アイドル映画からロマンポルノまで幅広いジャンルの作品を手掛けた相米慎二。
役者たちの肉体の過剰なまでの躍動、カメラの長回しの技法など映像的試みについて語られることの多い相米映画だが、作品の根底には生と死、絶望と再生、家族(共同体)、孤独など人間のもつ根源的なテーマが潜んでおり、
「映画とは何であるか」を絶えず観る者へ問い掛けている。
それは没後20年以上が経った現在においても色あせることなく、新たな映画ファンを魅了し続けている。
そんな相米慎二監督の代表作の一つ「台風クラブ」が1985年8月31日に一般公開されてから、
この8月でちょうど40年が経つのを記念し、
日本映画専門チャンネルでは、この「台風クラブ」を含め、近年4K化された5作品を、
8~12月の5ヶ月に渡って、毎月1作品ずつお届け!
すべて4K化TV初となるこの機会を、どうぞお見逃しなく!
8月20日(水)よる9時スタート
ディレクターズカンパニーのシナリオ募集コンクール準入選の脚本を、相米慎二が監督した映画的興奮にあふれる傑作。第1回東京国際映画祭ヤングシネマ部門グランプリほか、'85年度キネマ旬報ベストテン第4位に輝いた。東京近郊に台風が接近。不安定な肉体とやり場のないいらだちを抱えながら日々を過ごしていた理恵(工藤)、恭一(三上)ら中学3年生たちは、台風の接近とともに感情を昂ぶらせる。激しい雨の校庭に飛び出して裸の饗宴を繰り広げ一晩を校内で過ごす恭一たち。一方、理恵は一人原宿へ向かう。翌日、晴れ上がった校舎の窓の外を見つめる恭一は、皆を起こすと窓からまっさかさまに飛び降りた...。
日曜よる9時の「日曜邦画劇場」では、支配人・軽部真一(フジテレビアナウンサー)を聞き手に、工藤夕貴への特別インタビューもお届け!
相米慎二が「お引越し」に続いて撮影したキッズ・ムービー。死や戦争という重いテーマを、子供の目を通してさらりと描いた秀作。神戸の住宅街に住む小学6年生の三人組(坂田・王・牧野)が人の死に興味を持ち、荒れ放題のあばら家に住む"いかにも死にそうな"一人暮らしのおじいさん(三國)を観察し始める。生ける屍のようであった老人は日を追うごとに元気になり、付きまとう少年たちをこき使うようになる。又、少年たちも最初の目的を忘れ、いつの間にかその老人を慕うようになってゆく。
少女の心の成長を描いた相米慎二ワールド全開の名作。NHK朝の連続テレビ小説「私の青空」で大ブレイクした田畑智子の12才のデビュー作。その新人らしからぬ演技が絶賛された。父親(中井)が離婚前提で家を飛び出し、母親(桜田)と二人暮しになった小学6年生のレンコ(田畑)は、家族の絆を取り戻そうと、以前家族旅行で行ったことのある琵琶湖へ両親を無理やり連れ出すが、父母の間の溝の深さを思い知ることに・・・。
小泉今日子と浅野忠信というキャスティングが話題となった相米慎二監督の遺作。原作は乱歩賞作家・鳴海章の同名長編小説「風花」。故郷の北海道に残した一人娘に五年ぶりに会いにいく風俗嬢・ゆり子(小泉)と、酔った勢いからドライブに付き合うことになる謹慎中の文部省キャリア官僚・廉司(浅野)。性格も生活も旅の目的も全く異なる二人の、ぎくしゃくとした旅が始まる...。人生から落伍して「死」に引き付けられている男と女が、それぞれの思いを胸に広大な北海道で車を走らせて行く姿を描くロードムービー。
永瀬正敏が高校生時代にオーディションに応募して俳優デビューを飾った一作。「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」に続く相米慎二監督3作目。ジョジョ(永瀬)、辞書(坂上)、ブルース(河合)の三人は、日頃からいじめられているガキ大将デブナガ(鈴木吉和)に仕返しをと考えていた。ところがデブナガは彼らの目の前で誘拐されてしまう。三人はデブナガをぶちのめすためにデブナガ奪還作戦を開始する。ヤクザ風の中年男・厳兵(藤)と共に横浜から大阪への冒険物語が始まった。
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台風クラブ<4Kレストア版> ©ディレクターズカンパニー、夏の庭 The Friends ©1994/2024 読売テレビ放送株式会社 ©1992 湯本香樹実/新潮社、
お引越し ©1993/2023 ytv 原作:ひこ・田中「お引越し」、風花 ©ビーワイルド/テレビ朝日/TOKYO FM、ションベン・ライダー ©1983 キティ・フィルム